初恋サクラ《佐野玲於》 (ページ23)

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☆ ページ23

side A

あれからしばらくして

何も無い…訳もなく

案の定言われてる私の悪口。

それもやり方が悪質で

女子みたいに私の方をチラチラ見ながら

ヒソヒソ固まって言ってる。

そしてたまに私に聞こえるように悪口を言って

楽しんでる。

…辛い。

言われ始めた当初は気にしない気にしないって

言い聞かせてたけどそれも限界。

あの時言わなければよかった？

ほっとけばよかった？

無駄に善人ぶらないで自分の身を守るべきだったのかもしれない。

長岡達の影響は大きくて

男子のほとんどは長岡の側についてしまった。

変わらず話しかけてくる隼も

悪口の対象になったら困るから避けるようにした。

…佐野くんは

こういうの興味無いんだろうな。

長岡の側につくわけでもない。

変わらず、1人でいることが多い。

まあそんなこと気にしたってしょうがないけど。

現に私はクラスにいるのが辛い。

話してるのもナギサぐらい。

このままじゃ、文化祭も近いのに絶対楽しくない。

どうにもならないのに

どうにかなって欲しいって

ただそう願うしかなくて。

…ほんと残念な奴だな、私。