初恋サクラ《佐野玲於》 (ページ16)

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☆ ページ16

side 玲於

その日の放課後

初めての席替えをすることになった。

隼は女子みたいに

玲於と近くになりたい！なんて言ってたけど。

俺はそれより…

ちらっとそっちを見ると

興味無さそうにぼーっとしてる彼女。

…近くになってみてえなあ。

席って結構大事じゃん。

仲良くないやつとも仲良くなれたりするし。

きっかけってのが仲良くなるためには

俺は必要だと思ってます。はい。

てか、仲良くなりたいって

こんなにも思ってんだな、俺。

やっべえ。変なの。

・

神様ってのは、いるのかもしれない。

初めてそう思った。

くじを引いて即わかる方式の席替えで

俺の席は窓側から2列目の後ろから2番目。

席的にもいいポジション。

それに加えて…

「あ、さ、佐野くん」

右隣。

通路を挟んだ隣に彼女。

ほんと我ながら驚いた。

「よろしく」

「こちらこそ」

大量の荷物抱えて

新しい席に置いてるその姿。

…意外と置き勉するんだな。って

新しい発見。

ほんとにやべえ…

俺、彼女のこともっと知りたい。

おかしい。

俺らしくない。