【学生長期休暇限定】少し変わった歌い手探偵事務所 (ページ3)

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そして今に至る。ページ3

気がつくと、教室は赤く染まっていて

外でなっている鐘の音でもう、5時だということを知らされる。

「寝ちゃってたんだ…」

寝起きのせいか少しくらくらする

頭を無理やり動かし、

本をしまう。

その時、パサっと床になにか落ちた気がした。

見ると、ベージュのカーディガンが

「誰のだろ…」

ボタンのついてる側からして、男物だ

「…ど、うしよう」

困惑しながら誰のかわからないカーディガンを

持っていると。

「あ、起きたみたい」

と、横から声が聞こえた。

声の方へ顔を向けるとそこには知らない

人が立っている。

「あ、あのカーディガン…」

「カーディガン？あぁ、それ迷惑だった？」

心配そうに見つめてくるその人に思わず子犬みたいと思ったのは心のうちに秘めておこう。

「い、いえ、ありがとうございます」

「いいんだ、別に机に寝てる君がなんか、綺麗で見とれてたからさ…」

「え？」

「あぁぁ、変な意味じゃない！えと、僕２年B組の相川真冬です。えと、美術部で…」

「美術部…それなら納得できます。」

「よ、よかったー。それで、君の名前は？？」

「あ、私は赤松Aです…帰宅部なんですけど、時々図書館の手伝いをしてて」

「そっか、本好きなの？」

「凄く好きです」