検索窓
今日:71 hit、昨日:581 hit、合計:351,068 hit

41 ページ41

_


数日後の仕事終わりに、以前岩本くんと再会した時に行ったコーヒーショップへ向かった。


今日は店内のカウンター席で外を眺めながらまったりと。


お昼に届いていた彼のチャットには返事ができないままで、深いため息を吐く。


そこで男性が1席空けて腰掛けた。


ふわっと鼻を掠めた香りはよく知ったものだけれど顔を見る勇気は出ず、スマホを持つ手を盗み見た。


白魚のような手に、羨ましいほど綺麗な指先。


人差し指にはさっき前を通ったブランド店のリング。


すぐに目を逸らした。


テーブルに置いたスマホに表示されるチャットの通知。



"なんで返事してくんないの?"



ゴクリと生唾を呑んだ。



"ごめん。"


"怒ってないし、謝ってほしいわけじゃないんだよね。いつも返事くれるのになんでかなって思ったの。"



お互いに一度も目を合わせることなく指先に言葉を託す。



"思ってることそのまま言っていいよ。絶対嫌いになったりしないから。"


"わからなくなっちゃった、全部。"



テーブルにスマホを置く音がした。


ふぅ、と息を吐いて立ち上がる。



「家で待ってる。」



私の後ろを通る時に小さな声で言って店を出ていってしまった。


久しぶりにやっと会えたのに今から別れ話をしにいかなければいけなくなった。


いずれしなきゃいけないことだから早い方がいいか。


私はゆっくりとコーヒーを飲み、心構えをしてから店を出た。

42→←40



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (622 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1924人がお気に入り
設定タグ:SnowMan , 深澤辰哉 , ロマンスシリーズ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

涼-suzu-(プロフ) - ぴさん» ありがとうございます。キュンを届けられてよかったです。第3弾の連載が始まったらそちらもぜひよろしくお願い致します☺︎︎︎︎ (1月22日 6時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - こんばんは。久しぶりにこんなにきゅんきゅんしました。続きが読みたいなぁなんて思ったりしました。機会があればぜひよろしくお願いします。いつも素敵なお話をありがとうございます。 (1月21日 3時) (レス) id: 513aa6bd75 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - バケモノさん» ありがとうございます。どタイプだなんて嬉しいです。照れるなぁ。(お前のことじゃない)これからもどうぞよろしくお願い致します! (1月19日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 甘さん» こちらこそ読んでくださってありがとうございます。大好きなふかざわくんといい恋ができたみたいでよかったです。いつでもまた甘くて優しい彼に会いに来てくださいね。 (1月19日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 暖音さん» ありがとうございます。あの声色のせいでどうしても甘々に仕上がってしまうのですがいいですよね!?笑 第3弾もキュンをお届けできるように頑張ります。 (1月19日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:涼-suzu- | 作成日時:2024年1月9日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。