07 side M ページ7
＿
「どんなにお金と時間をかけて努力したってできないこともあるんですよ。それでも今はまだ私のところに戻ってきてくれるから、それでいいかなって。主人はこんな私を許してくれてるんだから私も許してあげなきゃ平等じゃない」
「そんなことないでしょ」
口を出すつもりはなかった。
本当に聞くだけにしようと思ってた。
ついさっきお客様として来てくれた彼女のことは名前しか知らなくて、俺がとやかく言う資格はないから。
でも言わずにはいられなかった。
「今のお2人の状況が平等じゃないと僕は思いますけどね」
「…」
「あくまでも僕の意見です」
「…はい」
「1人でいろんなことを抱えてたんですね」
彼女は眉間に皺を寄せて、涙を堪えている様子。
「Aさん…と呼んでもいいですか？」
「え、」
「予約してくださったお客様の名前は覚えてしまうんです。ストーカーではありませんのでご安心ください」
「ストーカーって」
悲しみの中、俺の冗談で少し笑ってくれたのを嬉しく思った。
彼女は好きに呼んでくださいとグラスに視線を戻す。
「Aさん。泣きたい時には泣いていいんですよ」
そう伝えるとグラスを見つめたまま静かに涙を流し始める。
儚くて綺麗な雫だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「SnowMan」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼-suzu-(プロフ) - たかすさん» はじめまして。喜んでいただけてよかったです！ (4月13日 9時) (
レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
たかす - 初めまして。懐かしのふかさくカップルに出会えて嬉しいです！！！その後を知りたかったので！！！短編でもお待ちしてますね。 (4月12日 21時) (レス) id: 9e0abdd975 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シラユキ。さん» シラユキ。様の名前…と思いきやすいません、過去作に存在します。笑 あのお話のみやだてくんストーリーです！最後まで楽しんでくださいませ(ニヤニヤ)私もシラユキ。様大好きです。 (11月4日 18時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ。(プロフ) - カフェ白雪、？ｷｬｯ///ってなんか勝手に一人でなってたら あれ、何か知ってるぞ？？ってなって涼さんの過去作品見に行ったら存在するじゃないですか…私の照れ返してください！((理不尽))でも涼さんのそういうところ好きですよ！！！！！！！！ (11月3日 18時) (レス) @page39 id: fd9c934f53 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 多界隈オタクさん» 過去作と繋げたくなっちゃう涼さんの悪いくせです★離れなくていいですよ！笑 (10月30日 20時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2023年10月23日 17時
