43 side M ページ43
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「自分でも驚いてますよ。こんな恋愛はしたことない。ましてやAさんは既婚者ですから」
「…」
「今からずるいこと、言いますね」
「ずるいこと、?」
「俺の唇がほしいなら、ケジメつけてきてください」
「!」
「俺は何年でも何十年でも…あなたを待っています」
彼女の目を見たまま左手の薬指にあるリングを撫でた。
「さ、帰りましょうか」
「…はい」
身支度を整えて入ったばかりの部屋を出た。
そして飲み屋街へ戻り、タクシーを拾って乗り込んだ。
彼女は住所を伝えると間もなく俺の肩に体重を預けて眠る。
正直自信なんて1ミリもない。
彼女もまた同じように俺のことをほんの少ししか知らないから。
長く同じ時間を共有した旦那さんがいるから。
さらにはかなりアルコールが入った状態。
次に目を覚ました時に彼女が覚えているかどうかもわからない。
忘れていたならそれはそれでいいと思っている。
…いや、できれば忘れてほしくない。
自分の幸せを願うなら。
「Aさん、」
名前を呼んでも起きる気配はなく、仕方ないかと膝裏に手を入れた。
「彼女を家まで運んできます。申し訳ないのですが少し待っていただけますか?」
運転手に伝えてタクシーから降りた。
人影を感じて視線をやると真っ直ぐに俺の腕の中を見ている。
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涼-suzu-(プロフ) - たかすさん» はじめまして。喜んでいただけてよかったです! (4月13日 9時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
たかす - 初めまして。懐かしのふかさくカップルに出会えて嬉しいです!!!その後を知りたかったので!!!短編でもお待ちしてますね。 (4月12日 21時) (レス) id: 9e0abdd975 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シラユキ。さん» シラユキ。様の名前…と思いきやすいません、過去作に存在します。笑 あのお話のみやだてくんストーリーです!最後まで楽しんでくださいませ(ニヤニヤ)私もシラユキ。様大好きです。 (11月4日 18時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
シラユキ。(プロフ) - カフェ白雪、?キャッ///ってなんか勝手に一人でなってたら あれ、何か知ってるぞ??ってなって涼さんの過去作品見に行ったら存在するじゃないですか…私の照れ返してください!((理不尽))でも涼さんのそういうところ好きですよ!!!!!!!! (11月3日 18時) (レス) @page39 id: fd9c934f53 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 多界隈オタクさん» 過去作と繋げたくなっちゃう涼さんの悪いくせです★離れなくていいですよ!笑 (10月30日 20時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2023年10月23日 17時