推しに恋して【2】

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「私、マスコットから抜け出せますか？」


「マスコット？…あぁ、ごめんね。あの時はあんなふうに言っちゃったけどもう思ってないよ。ちゃんとひとりの女性として、好き」


「…！ありがとうございます」


「Aちゃんこそ俺でいいの？…推しなんでしょ？」


「推しじゃないって、言ったじゃないですか」


「…！覚えてんだ、それ」


「熱に浮かされてたわけじゃないです」


「そっ、か。うん…そっか」


「最初は本当に推しでした。身近にいるアイドルみたいな感覚でした。でも、いつの間にか本当に好きになっちゃって」


「俺もそうだよ。家庭教師としてAちゃんと初めて会って。その時は俺に妹がいたらこんな感じかなぁ？くらいだったの。でもいつも一生懸命頑張ってる姿とか解けた時の笑顔とか、俺に褒められてほっぺ赤くして喜んでるの見たら…キュンキュンしてきてさ」


「嬉しいです。ラウールさんと両想い」


「俺も嬉しいよ」


「私、頑張ってラウールさんに似合う人になります」


「そのままで充分お似合いでしょ、俺たち」


「え、」


「ていうかそのままが好きだから。変わろうとしなくていい。もちろん俺のためにあれこれ考えてくれるのは嬉しいよ。でも、これは頭に入れといてほしいな」


「わかりました」

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