推しに恋して【2】

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＿


「ラウールさん！」


「出てきたら、んおっ！？」



勢いのまま抱きつけば変な声が頭上から聞こえてきたけどしっかりと受け止めてくれた。



「今日のお仕事本当にお疲れ様でした」


「…ありがとう」


「大変だったのに会いに来てくれたんですね」


「会いたかったから。俺が」


「…！」


「これ優しさじゃないからね」


「え？」


「俺だって自分のことばっかだよ。こんな時間に会いに来るんだから」



ゆっくりを体を離して目を合わせる。


ラウールさんは少し困っているように見えた。



「好き」


「！」


「好きだから優しくするし全部包みたいの」



ラウールさんが私を好き？


これって都合のいい夢？


妄想がつくりだした幻覚や幻聴？



「絶対に寂しい思いさせないし悲しませない…っていう約束は正直できない」


「…」


「けどその分、一緒にいる時間は楽しいし幸せだって思わせる自信あるよ」


「ラウールさん、」


「ずるいし自分勝手だってわかってる。俺よりもAちゃんの傍にいて守ってくれる男の子はきっと現れると思うし。でも、その前に俺が捕まえときたいの」


「…」


「だから、俺の彼女になってくれない？」


「私なんかでいいんですか？」


「あのねぇ…。俺が妥協で高校生に告白するように見える？」


「そんなことはない、ですけど…」


「Aちゃんがいいから気持ちを伝えたの。本当は高校卒業するまで待った方がいいかなって思ったけど」



無理だったとお茶目に舌を出す。


私、本当にラウールさんの彼女になれるんだ…。

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