61 ページ14
_
心を決めてからラウールさんが家庭教師に来た日、勉強を終えて帰る準備をする彼に話しかける。
「ラウールさん」
「んー?」
「…」
話しかけてすぐ臆病が顔を出した。
デートに行きたいと誘うことがもう告白してるも同然な気がして。
「どうしたの?」
「…」
でも、決めたから。
頑張れ私。
「なんで、正座…?」
「ラウールさん!」
「は、はい」
「私とデートしてください」
三つ指ついて頭をさげる。
応答はなにもなし。
顔を上げるのがこわい。
「…いいよ」
「!」
「しよ、デート」
「…」
「あは。なんでそんなびっくりしてるの?」
「断られると、思って」
「断んないよ」
「!」
「どこ行きたいか候補決めといて。俺も考えるから」
「…ありがとうございます」
嬉しさから笑顔が抑えきれなくて、ラウールさんも私を見て笑顔になって、心がふわりとあたたかくなった。
ラウールさんが帰ったら友達に即チャットを送る。
返事の代わりにグループ通話が始まって、2人は自分のことみたいに喜んでくれた。
デートどこがいいかな。
映画?水族館?
放課後に学校の前で待ち合わせも憧れる。
周りの女子の目は怖いけど今の私にはそんなことどうだっていいと思えた。
ラウールさんとチャットで話し合って決める時間も、もうすでにデートしてるみたいで楽しくて。
期待と妄想が膨らませて1人でニヤニヤすることもしばしば。
もちろん部屋の中で1人の空間でだけ。
誰にも見せられないよ、こんな顔。
1156人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼-suzu-(プロフ) - みかんみたいなオレンジさん» コメント全然気づかなくてごめんなさい!超絶返信が遅くなってしまいました…。涼担になってくださってありがとうございます。笑 これからもぜひニヤニヤしながら読んでください。ニヤニヤしながら執筆している私より。 (1月14日 8時) (レス) @page31 id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
みかんみたいなオレンジ - 私、実は涼さんの大ファンでして…まじでラウール君が消防士になってる姿を妄想しては終始気持ち悪い笑みを零していましたキモチワルイ (10月15日 15時) (レス) id: 9d2fbf6ffa (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シキさん» ありがとうございます。20歳になったので大人な彼を(勝手に)解禁いたしました! (10月12日 8時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - 完結おめでとうございます。少し大人っぽいラウに終始きゅんきゅんしておりました!after storyも最高です🤍 (10月11日 20時) (レス) @page30 id: fa47139e50 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シラユキ。さん» ありがとうございます。ニヤニヤ道連れ成功ですね。むふふ。世話焼きな友達も楽しんでもらえましたか?笑 シラユキ。様もどうかお気をつけくださいませ☺︎︎︎︎ (10月8日 16時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:涼-suzu- | 作成日時:2023年10月3日 16時