推しに恋して (ページ41)

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その思いでテストを受けて自分の中では全てを出し尽くした。

ケアレスミスがないかの見直しも忘れずに。

自分でもかなり頑張った。

「82点んん〜…」

返ってきた答案用紙に突っ伏すしかなかった。

仕方ない。

これが私の実力なんだから。

ラウールさんとのデートはお預けだ。

「あ…」

仕方ないと思いつつもショックで、帰宅してからも答案用紙を眺めてどうにか100点にならないか考えていたらラウールさんが来た。

ちなみに82を8と2にわけて足して10にして、さらに10を掛けたら100にはなった。

ただそれだけの話で現実は82点から変わらないけど。

「こんにちは」

「こんにちは。学校お疲れ様」

「…ありがとうございます」

「どした？なんか元気ない？」

「今日、テストの結果が返ってきて」

「…」

「…82点、でした」

どんな表情で言おうか迷って絶妙な苦笑いになる。

ラウールさんはいつものようにふんわりと微笑んで頭を撫でた。

「上出来。すごいじゃん」

「でも、」

100点なんて大口叩いておいて恥ずかしい。

「俺的にはご褒美あげたいよ」

「え、」

「だって頑張ってたの知ってるもん。見てたし」

「…」

「だから俺からご褒美あげていい？」

「ご褒美？」

「今度の休みデートしない？」

「！」

「俺が行きたいの。お願いっ！…ね？」

小さく頷くと、やったー！と喜ぶラウールさん。

「ありがとうございます」

「ありがとうはこっちのセリフ。俺に予定合わせてもらうんだから。ご褒美楽しみにしててね」

「はい！」