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「送っていただいてありがとうございました」
「ううん。1人は心配だから」
「…」
「もうすぐ夏休み終わっちゃうね」
「はい。ラウールさんのおかげで課題は終わってるから問題ないんですけど、始業式の次の日に実力テストがあって…」
「ああー、そういやそんなのあったな」
「課題を理解できておけば解けるみたいなので見直しします」
「ん、じゃあテストでいい点数取れたらご褒美あげなきゃね」
「ご褒美、」
「そうだな。なにがいいかなぁ」
「ラウールさん」
私は友達との作戦会議を思い出した。
もっと意識してもらって親密な関係になるには…。
「80点…いや、100点取れたら私とお出かけしてもらえんか?」
デートしたいってストレートに言った方がいいって言われたけどさすがに恥ずかしい。
でも私から誘ったのは大きな成長。
自分を褒めてあげたい。
「それはつまり」
「…」
「デートのお誘い?」
私が言えなかった単語をさらりと言ってしまう彼はやっぱり大人で、私より経験があって。
ドキドキすると同時にモヤモヤとした感情が少し顔を出した。
「…そうです」
「わかった。それがご褒美になるならそうしよう」
「え、」
「頑張ってね。実力テスト」
「頑張ります」
「明後日はテストに向けての対策しようね」
「よろしくお願いします」
「じゃあまた。おやすみ」
「おやすみなさい」
私は遠のく彼の背中をしばらく見つめていた。
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2023年9月21日 16時