推しに恋して (ページ31)

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「聞きたいことあって…」

『うん』

「花火大会の日、会場にいるのかなって」

『週末にあるやつ？』

「はい」

『いるよ。Aちゃんは行くの？』

「行きます。友達2人と…浴衣で」

『そっか。浴衣いいねぇ。ここ2年くらいは着てないなぁ…』

ラウールさんの浴衣姿、容易に妄想するんじゃなかった。

実際見たわけじゃないのにドキドキする。

『当日楽しみにしてていい？』

「え」

『Aちゃんの浴衣姿』

「…」

『見せに来てよ』

「ワカ、リ、マシタ」

『あは、めっちゃカタコト』

「わたしも、楽しみにしてます」

『ん？』

「消防服のラウールさん」

『ええ？前に見たじゃん』

「かっこよかったから」

『…』

「もう1回見られるの楽しみにしてます」

『…ん、』

頑張って伝えたのにラウールさんが照れたように返事をするから私までそれが伝染して、おやすみなさいとハイスピードで電話を切った。

そしてスマホを手放してベッドに身体を投げ捨てる。

一気に全身の力が抜けて深く息を吐いた。

「き、緊張した〜…」

花火大会楽しみだなぁ。

向こうはお仕事だけど会えるし。

一緒に花火見てくれるかな？