推しに恋して (ページ24)

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作戦会議で決めたこと。

身長の低さを活かして、ラウールさんと話す時は上目遣いを徹底する。

だけどあからさまにならないこと。

「難しいよぉ…」

「ん？どこ？」

ラウールさんがいるのに目の前の課題に集中できず、友達に言われたことを考えていたら思わず独り言がこぼれた。

でもラウールさんは課題のことだと思ったようでグッと距離を縮めてきて胸が高鳴った。

「これ、が…」

問題文さえ読んでないけど適当に指をさして彼を見る。

頑張って上目遣いを意識して。

だけどラウールさんはずっと課題に視線を置いているから失敗に終わった。

「っていう感じで、」

「！」

「…大丈夫？」

「あ、あは、は…」

「…よし、」

ラウールさんは突然立ち上がる。

「今日は終わりにしよう」

「え」

「Aちゃんは俺が組んだ課題スケジュールをしっかりこなしてくれてるし、今日くらい休憩したって平気だよ」

「ラウールさん、」

「アイス買いに行こっか。っていうか俺が食べたいから強制連行しまーす」

私も立ち上がれば両肩を掴んで後ろから玄関の方へと押していく。

「はい、靴履いて〜」

ラウールさんは未だに私の肩を掴んだまま。

私が靴を履いているのを後ろから覗き込んで楽しそう。

これじゃ園児と保育士…。

マスコットよりマシ？

むしろ退化した？

どっちもどっちか？