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次にラウールさんが来る日は午後から遊ぼうと友達に言われた。
しかも服装指定で。
友達の家に行った時に渡されたのは私より身長のある友達が着ても大きめのTシャツ。
これに自分の持ってるショートパンツを履けと。
言われるがままにTシャツを借りて当日に着た。
案の定短い丈のワンピースみたいになってショートパンツはギリギリ見えないくらい。
なにが狙いかはわからないけれど脱マスコットの第1歩になると言われてなんとなく信じてみることにした。
自分じゃどうすればいいかわからないからそうするしかないと言った方が正しいか。
「おは、よー…」
インターホンが鳴ってドアを開けると爽やか笑顔のラウールさん。
でもすぐにキョトン顔に変わった。
「おはようございます」
「…なんか今日、いつもと雰囲気違うね?」
「午後から友達と遊ぶ約束してて、」
「なるほど。そういうことか」
「あの」
「ん?」
「へん、ですかね…?」
「んーん。似合ってる」
その言葉がお世辞だったとしても私は嬉しくて顔を綻ばせる。
ラウールさんは、でも…と目線を合わせるように屈んで私の頭に手を置いた。
「気をつけてね。…脚元」
「…日焼け?」
「んまあ、それも」
「自転車乗るから、怪我とか?」
「…うん。そうね」
「…?」
「とにかく、気をつけてくれればいいの」
「わかりました」
あまりにもラウールさんが心配顔で、勉強中も私の脚元を気にしていたから友達と遊ぶ前にスキニーに履き替えた。
これで日焼け対策もばっちりだし、自転車でこけても生脚よりはマシだろう。
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2023年9月21日 16時