推しに恋して (ページ18)

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「ラウールさん？」

「ごめん、なんでもない！なんか、うん。楽しめたのが伝わってきて俺も楽しい気持ちになれた！」

「そうですか？それならよかったですけど…」

「よし。じゃあ続きはまたあとにして、今日も頑張っていきましょーう！」

少しあたふたした様子のラウールさんに疑問を持ちつつも勉強を開始してからはいつも通りになったため差程気にしてはいなかった。

「あ、」

1時間して、少し休憩することになりそこで私は思い出した。

「プール行った日、お仕事邪魔しちゃってごめんなさい」

「んーん、全然だよ」

「横断歩道で信号待ちしてたら消防署が見えて、すごく身長の高い人がいたからラウールさんかなって。友達に行こうよって言われて止めたんですけど…」

「俺は嬉しかったよ。Aちゃんの顔見られて」

「え、」

「入社当時から俺を気にかけてくれてる先輩がいて、すっごい鬼なの」

「おに…？」

「いや、やっぱり大魔王だな。俺が苦しんでる姿を見るのが大好きなんだよ」

「…」

「あ、トレーニングしてる時の話ね」

「びっくりした。そういう癖があるのかと」