推しに恋して (ページ13)

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これは友達に課せられたミッションを遂行できない可能性が出てきた。

「彼女さんとは、今も…？」

ラウールさんは首を横に振った。

人が別れた話でホッとするなんて最低だと思いつつも安心している自分はごまかせない。

「今はいない。仕事もプライベートも充実してるからこれで彼女いたらめちゃくちゃ寂しい思いさせちゃうだろうなぁって思う」

「そうですか…」

「Aちゃんは？」

「へ？」

「恋してないの？」

同級生のイケメンとかさ、なんて期待した目をしているあなたが好きだと最近気づきました。

とは言えないから愛想笑いで誤魔化す。

「推しの俺がいるから充分？」

「！？」

びっくりして彼の顔を見ればいたずらっ子な笑みを浮かべて楽しそう。

あぁ、推しなんて暴露するんじゃなかった。

でも暴露したあとに恋だって思っちゃったから仕方ない…。

「家庭教師してる間にAちゃんの恋バナも聞きたいなぁ。そういうのでキュンを忘れないようにチャージしておきたい」

そっか。

家庭教師、いつか終わりがくるのか。

大学受験が終わるまでと仮定して、まだ1年あると思うのかもう1年しかないと思うのか。

「いい人できたら教えてよ」

「…わかりました」

なんて言ったけど言えないよ。

だってあなたなんだから。

「よし、じゃあとりあえず今日の分の課題終わらせよっか」

「はい」