推しに恋して (ページ12)

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ラウールさんへの気持ちが恋に変わると妙に意識してしまうようになった。

もしかすると私が彼を推しだと思ってきたのはこれを避けるためでもあるかもしれない。

「懐かしいなぁ夏休みの課題」

「そんな昔の話じゃないのに？」

「そうなんだよね。2年前ってそこまで前のことじゃないんだけどそれでもこんなことしてたなって懐かしくなるよ」

ラウールさんが家庭教師で来てくれるおかげで今年の夏休みは計画的に課題を進められる。

私だけなら終わり頃に焦ってまとめてやっちゃいそうだもん。

実際昨年はそうだったし。

でも私の夏休みの課題は5教科のプリント集だけじゃない。

友達から片想いの課題を与えられている。

少しでもラウールさんを知って距離を縮めるために。

ただその課題に入る前に絶対避けては通れない質問がある。

「ラウールさんは、」

「うん？」

「自分が高校生だった頃は計画的に過ごしてたんですか？」

「あー、そうだね。溜め込むの好きじゃないから毎日少しずつコツコツやってた。午前中の1時間とか2時間って時間を決めてあとは遊んでたよ」

「友達とか」

「うん」

「…か、かの、彼女、とか？」

「まあー…そうだね」

「！」