Magic Love (ページ4)

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一寸先はなんとかページ4

『ってことがあったんですよ』

翌日のお昼休み、食堂で佐久間さんに岩本さんと同じマンションに住んでいることを報告する。

「すげー。そんなアニメみたいなことあんだね」

『私、岩本さんと同じ屋根の下で…』

「言い方だろ」

『嬉しいんです！』

「ふふ、これでいつでも照に会えるじゃん」

ニヤリと企んだような顔をして私を見る。

『い、いやいや！だから！岩本さんには麻里菜さんがいるので！』

「あんまり大声で言うと照たちに聞こえちゃうよーん？」

ハッとして少し目線を奥に移すと仲良くランチをする岩本さんと麻里菜さん。

『麻里菜さん、いいなぁ』

「本音が零れちゃってる」

『お似合いだなあ』

「お前には俺がいんじゃん」

びっくりして佐久間さんに視線を戻すと頬杖をついてふにゃりと微笑んでいた。

その表情に不覚にもドキッとしてしまった。

「なんてね～」

『そのセリフどのアニメで覚えたんですか？』

「別にそんなんじゃねえわ」

『佐久間さんには嫁がたくさんいますので遠慮しておきます』

「ははっ！冷たっ！」

そんな会話をしながら岩本さんたちを横目に食堂を後にした。

そして定時5分前、私の華金は散り去った。

「ごめんな一条…」

『嘘だと言ってください』

後輩のミスが発覚し資料の見直しと修正が必要となった。

月曜日朝一の会議で使われるため今日中に見直しと印刷を終わらせないと間に合わない。

さらに後輩は研修のためおらず、他にこの記事に関わっているのは私と佐久間さん。

しかし佐久間さんはああ見えて(失礼)仕事ができるのでたくさんの仕事を抱えている。

よって必然的に私が見直しと修正をしなければいけないのだ。

『…日が暮れる越えて朝になりそう』

「ごめんね？」

阿部部長に謝られると私もやらないわけにはいかない。

あざといな、部長って。

とにかくやるしかないと気合を入れて資料と向かい合った。