オシャレなレストラン ページ24
夜ご飯を食べるために動物園を出て車に乗る。
行きと同じように可愛い女の子たちの歌が流れているのに佐久間さんのことで頭がいっぱいで入ってこない。
まだ18時前なのに外は暗く、たまに街灯やすれ違う車のライトに照らされる佐久間さんの顔がいつもの佐久間さんじゃないみたいだった。
なんていうか…素直にかっこいい。
「そんな見つめられたら佐久間さん、運転しずらいなぁ?」
『み、見つめてません』
佐久間さんはニヤッとして一瞬だけこっちを見る。
「運転してる佐久間さん、かっこいい?」
『調子に乗らないでください』
「あれれ?違ったぁ?」
『ご飯、何ご馳走してくれるんですか?』
「あ、もう俺が払う前提の…」
『ふふ、違いました?』
「どっちが払うか男気しよっか」
『私女なんで』
「それズルくない!?」
『嘘ですよ、お礼なので私にご馳走させてください』
そんな楽しいやり取りをしながらどうにか気を紛らわしているとオシャレなレストランの前に到着。
「友達が店長してるレストランなんだ」
佐久間さんは朝、車に乗る時と同じようにお店の扉を開けてどうぞとかっこよく決めていた。
「いらっしゃいませ」
ふわりと笑う男性店員さんは、控えめに言ってイケメン。
「涼太久しぶり〜」
え、この人が佐久間さんの友達!?
てことは、店長さん、か。
「本当、久しぶりに来たと思ったらとっても素敵な女性連れてきてびっくりしたよ」
素敵な、女性。
私顔ニヤけてないかな?大丈夫かな?
ダメだこれはお世辞だ調子に乗るな私!
「そうでしょ?会社の後輩なんだけど、ちょーいい子!」
「そっか。よかったね、佐久間」
「うん!」
涼太さんはホッとしたように佐久間さんを見ていた。
よかった…って、何がだろう?
席に着いてメニューを開く。
どれも美味しそうで迷っちゃう。
「どれで迷ってる?」
『パスタ…こっちもいいけど、こっちも食べてみたいです』
「わかった!」
佐久間さんはそういうと近くにいる店員さんを呼ぶ。
まだ迷ってるのに何がわかったの!?!?
「ラウちゃん久しぶりだね〜。まぁたでかくなっちゃって」
「佐久間くんが縮んだんじゃない?」
「態度もでかくなった!かわいい!」
「えへへ、ありがとう」
この高身長イケメンとも知り合いなのか…すごいな。
「これと、これ!お願いします」
「はーい」
そう言うと高身長イケメンは厨房へ消えていった。
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年2月10日 17時