夢色キャラメリゼ【2】

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育児で疲れた母に寄り添い、親身になって話を聞くことで信頼を得て安価なものを高額で売りつける。


母になるという道を選んだのは自分だけれど育児に悩みはつきもので。


その悩みを解決してくれるという甘い蜜に誘われて、落とし穴へ真っ逆さま。


金が払えないのなら子どもを寄越せと言われるのだ。


Aの母親もその被害者だった。


父親が仕事から帰宅した際に話をして、彼はすぐに気づきお金は払わず逃走することを決意した。


警察が犯人を捕まえるが先か自分たちがその詐欺師に追いつかれるが先か。


万が一後者になった場合、Aの命も危ないかもしれないと苦渋の決断で置いていくこととなった。


雷を伴う雨の中、どうにか濡れないようにあの橋の下にAを置く。


その時、詐欺師は複数人でアジトのようなものはなく車で常に移動しているということは情報として報道番組で流れていた。


あの橋の下は車からだと死角になり、歩行者にしか見えない。


Aの両親は心の優しい人がこの子を救ってくれますようにと神頼みでその場を後にした。



「九州の方まで逃げて、犯人が捕まったのを報道でみたけどそのままそこに身を置いて生活してる」


「こっちに帰る勇気はなかったの」


「昨日仕事の関係でこっちに用事があって今日はゆっくりして帰ろうと思ってね。それで、あの橋に行ってみたら白谷さんが声をかけてくれて」



夫婦はもう一度おっちゃんにお礼を伝えた。

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