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「さっきまた会って」
「そうなの?」
「自転車のチェーン直してくれた。お礼したいんだけど…好きな物なに?お菓子とかそういう」
「えー…なんだろうな。あいつが好きなもん…」
「親父なのに知らねーの?」
「女の子を男ひとりで育てるって、大変なのよ。ていうか俺、嫌われてるから」
「反抗期?」
「あの子は年中無休24時間反抗期よ。まともに口聞いてくんないから困っちゃって」
「おっちゃんまじで大変そうじゃん…」
「あ、」
「?」
「ドーナツ」
「え、ドーナツ?」
「小さい頃だけどよく一緒に食べてた。だからドーナツなら、確実に好きだと思うよ」
またな、と家の中へ入っていった。
彼に続いて自分も家の中へ。
ちょうど母親と玄関で鉢合わせた。
「あー翔太、今日バイト休みでしょ?ちょっと洗濯物取りこんでてくれない?」
「はいはい」
「ありがと!ご飯作ってあるからお腹すいたら温めて食べてね」
「んー」
「じゃあ行ってきます」
「ういー」
慌ただしく出ていった母親。
女手1つでここまで俺を育ててくれた人。
家事をやりながらダブルワークをして、なんとかやり繰りしながら高校まで行かせてくれた。
中学の頃の俺はとにかく尖りまくって悪さばっかりで、母親にたくさん迷惑をかけた。
だからもう高校には行かないでおこうと、それが俺に今できる親孝行だと思っていたのにめちゃくちゃに怒られた記憶はくっきりと残っている。
どんなに悪いことをして迷惑をかけても怒ることはなかったのに、どこでもいいから高校には死ぬ気で受かれよとドスの効いた声で言われて久しぶりに母親にビビった。
洗濯物を取りこむ前にテーブルの上にある夜ご飯を確認する。
「お、オムライスじゃん」
好物なことがわかった途端お腹が空いてくるこの現象に名前をつけてほしい。
早く夜ご飯と呼ぶに相応しい時間にならないかなと思いながら洗濯物を片付けた。
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涼-suzu-(プロフ) - 白昼夢さん» はじめまして。コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。こちらこそこれからも涼さんの作品を愛してあげてくださいませ( ˶'ᵕ'˶ ) (2023年3月31日 15時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 初めまして!新作待ってました( ; ; )ずっと陰ながら応援させていただいて、、凉さんの作品全部読み漁るほど大好きなんです(´༎ຶོρ༎ຶོ`これからも素晴らしい作品お待ちしてます!頑張ってください!!! (2023年3月31日 0時) (レス) id: 40e11ba78b (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 茉子さん» 泣かせてしまってごめんなさい(´;ω;`)いつも私の作品を読んでくださってありがとうございます。私も大好きです! (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シラユキ。さん» ツンデレとツンデレのコラボ(?)です!幸せにするんで一生ついてきてください(もはやプロポーズ) (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
茉子(プロフ) - 泣いたんですが😭子どもへの気持ち分かるだけに…続きも楽しみです。涼さんの作品全部読んでます☆大好きです😊 (2023年3月28日 18時) (レス) @page24 id: 0c861b61c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2023年3月26日 15時