夢色キャラメリゼ

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＿


「A〜!」


「大ちゃん、」



久しぶりにバイト休みの日曜日。


佐久間さんの息子である大ちゃんこと大介くんは私のお兄ちゃん的存在で。


いつからか連絡を取り合っている仲。



「なんか久しぶりだね2人でこうやって話すの」


「うん」


「どうしたの?」



大ちゃんに相談があると唐突に連絡したら、快く了承してくれた。



「大ちゃんって、恋したことある?」


「!?」


「あ、ごめん」


「…げほ、あぶな。鼻からタピオカ出るかと思った」


「…」


「恋、したことあるよ?っていうか現在進行形でしてる」


「そうなの?」


「同級生の女の子ね」


「恋するってどんな感じ?」


「うーん、ひとことで言うなら…その人のことばっかり考えちゃう!って感じかな」


「なるほど、」


「好きだから声聞きたいとか会いたいとか、今何してるのかなぁーって離れてる時でもずっと考えちゃうんだよねぇ」


「声聞きたい、会いたい…」


「…もしかしてAちゃんにもそう思える人ができた?」



思い浮かぶ翔太の顔。


私の名前を呼ぶ声も、鮮明に脳内再生される。


やっぱり、あの日の高鳴りは恋だ。



「…かもしれない、」


「どんな人なの?」


「たぶん、大ちゃん知ってるかも」


「えぇ!?」


「渡辺翔太って、同じ高校に…いるよね?」



いつだったか学校終わりに大ちゃんが職場に来た時に見た制服と彼の制服が重なって尋ねてみると固まって動かなくなってしまった。



「大ちゃん、?」


「翔太のこと、好きなの?」


「…!やっぱり知ってた」


「俺の友達だもん」


「友達…」


「世間って狭いねぇ」


「うん、だね」


「そっかぁ、翔太かぁ…」


「…」


「よかった、変な人じゃなくて」



そう言ってふにゃりと口角を上げる。



「翔太、口悪いし不器用だけどすげー優しくていいやつだからさ。安心した」


「不思議なの」


「ん?」


「前に大雨で雷が結構すごかった日があって、」


「あぁ、あの日…。Aちゃん雷苦手だもんね」


「その日に限ってお父さん、仕事トラブルで遅くて。翔太が偶然私の家に来たの」


「うん」


「それでずっとそばにいてくれて、抱きしめてくれて。一気に恐怖心が消えていった」


「翔太魔法使いじゃん」


「…そうかも」

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