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＿
「自転車、かりる」
「あ、うん」
戻ってきた彼女は髪を雑に1つ結びにし、青いつなぎを着て軍手をはめて、なんの躊躇いもなく胡座をかいて地べたに座り込んだ。
俺に背を向けている彼女に話しかけていいのかどうか迷って子猫を見つめる。
子猫も負けじと俺を見つめ返してきて、なんとなく目を逸らした。
「直った」
「…!はや、」
「乗ってみて」
彼女に子猫を返して自転車に跨る。
スムーズにいつも通り。
「大丈夫そう。ありがとう」
彼女は頷いてまた俺に背を向ける。
「ねえ」
「なに?」
「その子猫、飼うの?」
「うん」
「…そっか」
「病院連れて行った。特になにもなく健康だって」
「…!それはよかった」
「名前は?」
「え、」
「あんたの名前」
「…渡辺翔太」
「翔太のおかげでこの子を助けられた。ありがとう」
「あ、ちょっ…」
じゃあ、と彼女は建物内へ。
俺はまだ少しだけ残っているモヤモヤを抱えて帰路についた。
「おー!翔太、今帰りか?」
「おっちゃん」
隣に住んでいる白谷さんとちょうど鉢合わせて挨拶を交わす。
そこで俺は思い出した。
彼女はこの人の娘だと。
一緒にいるところを見かけたのが何年も前でそれから彼女とは全く遭遇しないから忘れていた。
「どうしたそんなスッキリした顔して」
「ずっとモヤモヤしてたから」
「モヤモヤ?なんだ溜まってたのを処理してきたのか」
「ちげーよやめろ」
「元気だな高校生」
「だからちげーって。おっちゃん、娘さんいたよね?」
「あぁー…まあ一応?」
「昨日の夜久しぶりに見かけて、どこでみたんだっけなってずっと考えてたんだよ」
「そういえば子猫…知らない男の人に助けてもらったっつってたな」
全然知ってる人じゃんと豪快に笑って背中を叩いてくる。
「痛いって」
「まあでも、ちょっと顔合わせたことあるぐらいだからお互い覚えてないのも仕方ないか」
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涼-suzu-(プロフ) - 白昼夢さん» はじめまして。コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです。こちらこそこれからも涼さんの作品を愛してあげてくださいませ( ˶'ᵕ'˶ ) (2023年3月31日 15時) (
レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢(プロフ) - 初めまして！新作待ってました（ ; ; ）ずっと陰ながら応援させていただいて、、凉さんの作品全部読み漁るほど大好きなんです(´༎ຶོρ༎ຶོ`これからも素晴らしい作品お待ちしてます！頑張ってください！！！ (2023年3月31日 0時) (レス) id: 40e11ba78b (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - 茉子さん» 泣かせてしまってごめんなさい(´；ω；｀)いつも私の作品を読んでくださってありがとうございます。私も大好きです！ (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - シラユキ。さん» ツンデレとツンデレのコラボ(？)です！幸せにするんで一生ついてきてください(もはやプロポーズ) (2023年3月28日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
茉子(プロフ) - 泣いたんですが😭子どもへの気持ち分かるだけに…続きも楽しみです。涼さんの作品全部読んでます☆大好きです😊 (2023年3月28日 18時) (レス) @page24 id: 0c861b61c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2023年3月26日 15時
