12 ページ12
_
たつが私の両手を頭上でひとまとめにする。
想像より握力があって身動きが取れない。
彼の顔が近づいてきて耳の縁に熱い吐息がかかった。
「ほら、ベッドで寝ますって早く言わないと」
耳元で囁かれてゾクッとした。
そこでふと梅野の言葉を思い出す。
___柔らかくて甘いっていうか癒されるっていうか…。
癒されるかはさておき、たしかに柔らかくて甘い…気がする。
「何考えてるの?ボーっとしてたら先に進んじゃうよ?」
片方の手が服の裾にかかって、人さし指がおへそあたりを掠める。
「っ、!?」
驚いて体を90度ねじると、たつがソファーから落ちた。
心拍数が上がって荒くなった呼吸。
ソファーの下の彼はいつもより倍くらいの大きさで目を開いて瞬きを繰り返す。
そしてふはっ!と吹き出した。
「めっちゃ力つよっ!びっくりしたんだけど」
「…笑いすぎ」
「ん、起こして」
「自分で起きろ」
「とか言いつつ手ぇ貸してくれんのね。ありがとう」
たつの手を掴んだら結局自分の力で立ち上がっていて、私の手いらなくない?と言おうとしたけどできなかった。
「ねぇちょっと、」
私の言葉に反応はなく、そのまま手を繋がれて寝室へ向かう。
「Aちゃんがそこまで言うならベッドで寝る。ただし、Aちゃんも一緒にね」
「どういうこと?」
「こういうこと」
私の手を掴んだままベッドに潜り込み、私をグイッと引っ張って布団の中へ。
そして腰を引き寄せられた。
「なっ、!?」
「添い寝するだけ。これ以上のことはなんもしないから安心して?」
「信用ならんな」
「あ、逆にされたい?」
「は?」
「嘘だって。睨まないで。Aちゃんが俺のこと好きになってくれるまで手は出さないよ」
「…」
「…おやすみなさい」
私の頭をさらりと撫でたら背を向けてすぐに寝息を立てる。
私は、ちょっと痩せようかななんて柄にもなく思ってしまった。
1933人がお気に入り
「SnowMan」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼-suzu-(プロフ) - mamemiyaさん» ぜひたっくんの頭よしよししてあげてください。きっと喜ぶと思います( *˙ω˙*)و グッ! 幸せをお届けできてよかったです! (2023年3月20日 17時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - いくさん» こちらこそありがとうございます。どこまでもヒロインちゃん大好き甘々たつくんでした! (2023年3月20日 17時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
mamemiya(プロフ) - ステキです!ふっかよく頑張った(どこ目線)と頭撫でたくなりました。とても幸せな気持ちになれました。 (2023年3月20日 11時) (レス) @page45 id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - ステキすぎるー!!!after storyです。ありがとうございます。 (2023年3月19日 22時) (レス) @page45 id: b9250881d5 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ayaさん» ありがとうございます!でろでろすぎて私の脳みそ溶けました〜(危) (2023年2月12日 23時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:涼-suzu- | 作成日時:2023年2月3日 15時