Last Story〜Daisuke.S〜 ページ49
『…んっ？』
｢Aちゃん！！｣
『さく、ま…？』
｢よかった、ほんとによかった｣
目を覚ますと涙を流しながら私の手を頬に当てる佐久間がいた。
｢もう、一生起きないかと思っ、た｣
『ごめん、心配かけて…』
｢翔太呼んでくるね｣
佐久間の手の温もりが消え、部屋に残される。
しばらくすると翔太が私のところへ来た。
｢うん、意識もはっきりしてるしもう大丈夫。だけど肋にヒビが入ってるからしばらくは安静にしといて｣
『翔太、ありがと』
｢姫のくせに無茶しやがって、アホ｣
『姫にアホって言うな、アホ』
｢ふっ、生意気。佐久間はこんな生意気な姫のどこがいいんだかな｣
｢お、おい、翔太…｣
｢さ、姫さんも目を覚ましたことだし。俺は診察に行ってくる。後よろしくな佐久間｣
翔太が佐久間の肩を叩いて部屋を出る。
佐久間は2人の空間になった途端、だんまり。
『…佐久間？』
｢なっ、何？どした？｣
『なんでそんな、挙動不審なの』
｢いや？べ、別に？｣
ふと佐久間の目の下に隈ができていることに気づきそっと手を伸ばし、触れた。
｢ちょ、え、｣
『ずっと、待っててくれたんだね。ありがとう』
目をぱちくりさせていたが真剣な顔つきに変わる。
｢指1本触れさせないとか言っといて、守れなかった。ごめん｣
『そんなことない。佐久間はいつも私の事1番に守ってくれる。私…佐久間の背中好きなんだ』
｢そんなこと言われたら、隠してた気持ち言っちゃいそうになる｣
『隠す必要、あるの？』
｢いや、えっと｣
『教えてよ』
優しく佐久間の手を握ると意を決したように強く握り返される。
｢Aちゃんのこと、1人の女性として好きになっちゃった。好きになっちゃいけないのに｣
『私の事好きになっちゃいけないの？』
｢だって…！｣
『父上は私に、結婚相手は自分で見つけなさいって言われたの』
｢え？｣
『だから好きになっちゃいけないってことない、よね？』
｢え、それっ、て｣
『佐久間が好き』
｢俺も、好きだよ｣
佐久間はもう一度私に思いを伝えると顔の距離を近づけてくる。
そっと目を閉じれば
『…あ、れ？』
｢ぐぅ｣
『…信じらんない』
ベッドに顔を突っ伏して私の手を握ったまま眠る佐久間。
『大介のばーか』
佐久間を起こさないようにおでこにキスをした。
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涼-suzu-(プロフ) - むむさん» こちらにもありがとうございます。デビュー作のため今よりも拙い部分が多いと思いますがそう言っていただけて光栄です。こちらこそありがとうございます。 (2022年5月21日 14時) (
レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
むむ - 作者様の書かれる作品が全て好きです！！父上のために命を懸けて戦う姫と、いろんな過去がありながら一つの目的のために戦う9人がかっこよくて仕方なかったです！素敵な作品をありがとうございます (2022年5月21日 10時) (レス) @page32 id: e8dca0b64d (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - あやかぽん。さん» こちらも読んでくださったのですね！ありがとうございます。そういう風に言っていただけて本当に書いた甲斐がありました。その虚妄は…ぜひ、お聞かせください(ｷﾗｼ) (2021年9月18日 15時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
あやかぽん。(プロフ) - 面白かったー！！！埋もれてしまっているのが勿体ない。。もっと色んな人がここにたどり着いてくれたらいいのに…。。結婚したあとも気になって虚妄が止まりません(止めて) (2021年9月18日 9時) (レス) id: 2ac8db89d5 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です更新大変だと思います頑張ってください応援してますコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年3月1日 16時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2021年2月25日 16時
