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とまあこんな感じでこの物語の冒頭に至るわけだが…。
｢ふっか｣
照がふっかを睨みつける。
｢お前やったな？｣
｢いや？俺じゃないよ、うん。俺、人に洗いざらい喋らせるのは得意だけど自分が情報を喋るのは｣
｢怒らないから正直に言え｣
｢女の子と飲みに行った時に勢いで話したかもしれませんすいませんでした｣
ふっかは早口でそう言うと流れるようにみんなの前で土下座する。
｢お前後でシメあげる｣
｢え！怒んないって言ったじゃん！｣
｢姫のことは外で話すなとあれほどみんなで注意しただろーが｣
｢すいませんでした｣
｢すいませんでしたで済めば今頃こんなことになってねーよ｣
ネージュ王国が世界一勢力を持つフラム王国に今まで狙われなかったのは父上のおかげだった。
私が生まれたのは、約17年前。
体の弱かった母上は私を産んでまもなく天国に。
写真でしか母上の顔は見たことはないが、命懸けで私を産んでくれた大切な母上。
父上は母上をとても愛していた。
再婚はせず男手ひとつで私を育てることを決意。
しかし、そうなると父上の後継となる国王がいない。
私が女性であるからだ。
このことがフラム王国に知られたら娘をフラムの者に嫁がせ我が国の傘下になれと言われることを父上は分かっていた。
だから私は小さい頃から城を出たら娘であることを隠し、息子として私の隣に立ちなさいと父上に言われてきて、それを守ってきた。
外出用の衣服は全て男性物。
髪を伸ばしたことは人生で1度もない。
『このド阿呆が！！』
久しぶりに私が大声で怒鳴りつけるものだから場の空気は一瞬で凍る。
ラウールが視界の端で怯えているのもしっかり見えているし、翔太が小さく、え、こわ。と言ったのもしっかり聞こえている。
｢申し訳ございませんっ｣
土下座するふっかの前に跪き、人差し指で顎をすくい、私に顔を向けさせる。
『私の…私を1人で育てると決意した父上の、今までの努力をたった1度、たった1度だ。部外者に晒したことで事態はありえないくらい大変なことになっている、分かるか？』
｢はい｣
『責任を取ってもらわないとなあ？』
｢覚悟は、できております｣
『お前は拒否権なしに父上を取り戻しに私についてくることだ』
｢えっ｣
『首を切るのは容易いことだ。だが、たくさん情報を持っているお前をここで殺るのは惜しい。お前の処分は父上を助け出した後に言い下す』
｢姫…｣
『返事は』
｢承知致しました｣
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涼-suzu-(プロフ) - むむさん» こちらにもありがとうございます。デビュー作のため今よりも拙い部分が多いと思いますがそう言っていただけて光栄です。こちらこそありがとうございます。 (2022年5月21日 14時) (
レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
むむ - 作者様の書かれる作品が全て好きです！！父上のために命を懸けて戦う姫と、いろんな過去がありながら一つの目的のために戦う9人がかっこよくて仕方なかったです！素敵な作品をありがとうございます (2022年5月21日 10時) (レス) @page32 id: e8dca0b64d (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - あやかぽん。さん» こちらも読んでくださったのですね！ありがとうございます。そういう風に言っていただけて本当に書いた甲斐がありました。その虚妄は…ぜひ、お聞かせください(ｷﾗｼ) (2021年9月18日 15時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
あやかぽん。(プロフ) - 面白かったー！！！埋もれてしまっているのが勿体ない。。もっと色んな人がここにたどり着いてくれたらいいのに…。。結婚したあとも気になって虚妄が止まりません(止めて) (2021年9月18日 9時) (レス) id: 2ac8db89d5 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です更新大変だと思います頑張ってください応援してますコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年3月1日 16時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2021年2月25日 16時
