episode:14(Ren.M) ページ15
蓮の目の色が青に変わるのは本当に怒っている時。
家族が初めて蓮のそれを見た時、蓮は15歳だった。
反抗期で母親と言い合いになり、ついカッとなってしまったらしく一瞬にして青くなる瞳。
家族から化け物だ、うちの子じゃない、気持ち悪いと散々言われ家を追い出された。
追い出される前に家族の目に映った自分の目は確かに青かった。
自分は化け物なんだ。
突然独りになりそんなことを考えながらこれからどうしよう…と宛もなく歩いていたけれど、3日も飲食していなかった蓮は瀕死寸前。
その蓮を発見したのは風邪を引いて部屋にこもっている父上の代わりに舘さんと町へ出た時のこと。
家と家の間の薄暗い路地にぼんやりと人影が見えた気がして通り過ぎたそこをUターンする。
『え！ちょっと舘さん！来て！』
｢ひmっ…ううんっ！王子、どうされました？｣
『人が倒れてる！』
当時9歳の私の力ではどうしようもできず舘さんにお願いして空いている部屋に寝かせる。
偶然仕事から戻ってきた翔太に診察をお願いすると栄養失調とのことだった。
舘さんに料理をお願いして、私は蓮が目を覚ますまでそばにいた。
意識を取り戻した蓮はまだぼんやりとしていたが涙を流している。
｢俺…生きてんの？｣
『生きてますよ』
｢…誰か知らないけど、俺の事助けたの？｣
『はい』
｢なんで…？殺してくれよ。俺は…俺は化け物なんだよ。なんで助けたんだよっ…｣
精神が不安定で感情がコントロールできないのか私を睨みつける目が青くなった。
『わぁ…すごい。綺麗な瞳の色…』
｢は…？｣
蓮はスノウの中で唯一私が拾ったメンバー。
どうしても彼を救いたかった。
｢失礼致します｣
『舘さん、ありがとう』
舘さんはサイドテーブルにそっと料理を置き、青い瞳の蓮を見るとニコッと微笑んだ。
｢お口に合うか分かりませんが、今のあなたに必要な栄養を詰め込んでいます｣
『舘さんの料理はとても美味しいんです。さぁ、食べて』
さっきまで死にたいと願っていた彼の体は正直で、震えながら舘さんの料理に手をつけた。
｢…うまっ｣
そういう彼の目はもう普段の色に戻っていて
『これでも、まだ殺してほしいと願いますか？もったいないです。生きていれば、これからは毎日、舘さんの料理を食べられるのに』
あの時、泣きながら料理をぺろりと平らげた蓮は今ここでこうして生きている。
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涼-suzu-(プロフ) - むむさん» こちらにもありがとうございます。デビュー作のため今よりも拙い部分が多いと思いますがそう言っていただけて光栄です。こちらこそありがとうございます。 (2022年5月21日 14時) (
レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
むむ - 作者様の書かれる作品が全て好きです！！父上のために命を懸けて戦う姫と、いろんな過去がありながら一つの目的のために戦う9人がかっこよくて仕方なかったです！素敵な作品をありがとうございます (2022年5月21日 10時) (レス) @page32 id: e8dca0b64d (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - あやかぽん。さん» こちらも読んでくださったのですね！ありがとうございます。そういう風に言っていただけて本当に書いた甲斐がありました。その虚妄は…ぜひ、お聞かせください(ｷﾗｼ) (2021年9月18日 15時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
あやかぽん。(プロフ) - 面白かったー！！！埋もれてしまっているのが勿体ない。。もっと色んな人がここにたどり着いてくれたらいいのに…。。結婚したあとも気になって虚妄が止まりません(止めて) (2021年9月18日 9時) (レス) id: 2ac8db89d5 (このIDを非表示/違反報告)
美紀(プロフ) - SnowMan大好きです亮平君と翔太君と涼太君寄りのオール担当です最高です更新大変だと思います頑張ってください応援してますコロナウイルスに気をつけてくださいね (2021年3月1日 16時) (レス) id: e19dcb272d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2021年2月25日 16時
