天使の贈りもの

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結婚式と披露宴が無事に終わって式場を片付けている時のこと。


2人だけじゃなくてみんな幸せそうで本当によかったと少し余韻に浸っていたら足音が聞こえて振り返る。


そこには照くんがいた。



「どうしたの?」


「Aちゃん教会の方で片付けしてると思うって聞いたから」


「…わざわざありがとう。二次会行かないの?」


「行くよ」



照くんが私の隣に立って私と同じ方向を見つめた。



「誓いのキスする時の幸大めっちゃ顔赤くて笑ったなぁ」


「誓いのキスしない恥ずかしいって言ってたもん。逆に美月さんはノリノリだった」


「めっちゃ想像できる。んで美月ちゃんの断れなくてお前が言うならやるわ…って感じでしょ?」


「まさにその通り」


「誕生日のサプライズも成功して腰抜かしてたし、相変わらず最高だなあいつは」


「美月さんも一生思い出に残る誕生日になったんじゃないかな」


「なったと思う。しかも30歳っていう節目だし」


「私も実はちょっと泣いちゃったもん」


「知ってる。見てた」


「え!」


「近くに座ってたら涙拭ってやれたのにって」


「私のことばっかり見ないでください」


「見るよ。好きだもん」


「…もう」


「あは!照れた!」


「ほら、早く行かないと。バス行っちゃって二次会遅れるよ?」


「うん」



そう言うけど照くんは動く気配がない。



「照くん?」


「今日さ、すげー幸せだったんだよ」



再び話し始めた彼に私は耳を傾けた。



「幸大たちが幸せそうな姿見て、自分たちと重ねちゃったんだよね」


「自分、たち?」


「そ。俺とAちゃん」


「私…?」


「ウエディングドレス着たAちゃん宇宙一かわいいしそんな子の旦那さんになれる俺宇宙一幸せだし、って」


「…!」


「ちょっとやばめの妄想?でも、俺はちゃんと実現したいって思ってる」


「ひかる、くん、?」



キョトンとする私をちらりと見て愛おしそうに笑った。


その姿に胸がキュンとした。

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