睫毛の秘め事

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「何から話す?」



ふたりして温かいココアを買って、テーブルにそれが並べて置かれているのを見つめた。



「まずは、急に連絡取れなくなってごめんなさい」


「…Aが謝ることじゃないでしょ」


「…」


「彼氏?連絡取ってほしくないとかそんなとこ?」


「あたり」


「まだ付き合ってる?」


「ううん。連絡先消されてから割とすぐに別れた」


「そっか…」


「やだった。ラウと連絡取れなくなったの」


「俺も、やだった」


「寂しかった。大事な友達奪われるなら彼氏なんていらないって思った」


「…うん」


「まさか今日会えるって思ってなかったからびっくり。さっき同窓会で普通に話しかけてくれたの嬉しかった。本当は私から話しかけるべきだったんだけど、怖くてできなくて」


「別に俺、怒ってないよ。Aが自分の意思で俺との連絡を断ったわけじゃないってわかってたから」



だから大丈夫。


そう言って微笑んでくれた。



「ねえ、連絡先また教えてくれる?」


「…!もちろん」


「ああやって毎日チャットとか電話で連絡取ってる人Aしかいなくてさ。急になくなって虚無感っていうか…すごかった」


「ラウ…」


「またやりとりできるの嬉しい」



スマホを取り出して連絡先を交換した。


約4年ぶりにあの日常が戻ってくるんだと思うと私も本当に嬉しくて、口角が上がっていくのが自分でもわかった。



「ラウは?彼女とか大丈夫なの?」


「いないよ彼女」


「金髪にしたりして色気づいてるからてっきり彼女いるのかと思ってた」


「ただの大学デビュー」


「ふふ。高校デビュー的な?」


「そうそう。それ。目立っていいでしょ?」


「ラウは身長高いから金髪じゃなくても目立ちそうだけどなぁ」


「変?金髪」


「ううん。私は結構好きだよ」


「ありがとう。…よかった」



そう呟いてまだほんのり温かい飲み物を飲んだ。

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