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さっくんは私を助けるために倒した自転車を起こすと私の荷物をカゴに入れてくれる。
「足、痛い?自転車乗る?佐久間さんが押してあげるよ?」
「そっ、それはなんか恥ずかしいよ!歩けるから大丈夫」
「んじゃあ腕掴んでて?心配だから」
そう言われて、また転けそうになるのも嫌だったからドキドキしながらさっくんの腕を掴んだ。
駅までの道のりを私に合わせてゆっくり歩いてくれるさっくん。
体育祭のことを話していたらふと思い出した疑問。
「そういえば…借り物競争のお題?ってなんだったの?」
「え!?」
立ち止まったさっくんの大きな声が夕焼け空に響く。
「そ、れはぁ…そのー…あー…なんだったっけなぁ?」
「もうっ。覚えてるでしょ!もったいぶらないで教えてよ」
「…んんんん、もう!どうにでもなれ!…はいっ!」
さっくんは渋々、制服のポッケから2つ折りされた紙切れを出す。
それを受け取って開いてみるとそこに書かれていたのは
「…好きな人をお姫様抱っこしてゴール?」
びっくりしてさっくんを見ると顔を赤くして腕で口元を覆って私と目を合わせようとしない。
それって、もしかして、もしかしなくても…両思い、ってこと?
嬉しすぎる。
「さっくん、私」
「あー!いい、いい!大丈夫分かってるからっ」
「…?」
さっくんは両手を前に伸ばして私と距離を取る。
分かってるって…私がさっくんのこと好きって気づいてたってこと?
でもこの反応からしてそんな感じではなさそうだ。
「さっき付き合ってないって言ってたけど…本当は涼太のこと、好きなんでしょ」
「え、…誰が?」
「さっちゃんが」
「誰を?」
「だから、涼太を!」
つらいんだから言わせないでよと可愛く唇を尖らせた。
誤解は解けたと思ってたけど、そんなことなかったみたい。
私はさっくんの頬を包んで、尖らせた唇に自分の唇を一瞬くっつけた。
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涼-suzu-(プロフ) - 佐久間担さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです！ (2022年4月5日 21時) (
レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間担 - 大丈夫です！私もきゅんきゅんしました！さっくんっぽくて可愛いなと思いました！ (2022年4月5日 17時) (レス) @page26 id: 20b86a31c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2021年11月3日 7時
