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モヤモヤしたまま帰宅時間が来てしまう。
帰る準備は終わったけれど椅子に座ったまま、前にいるさっくんの後頭部を眺める。
動く度にふわふわと髪が揺れる。
綺麗なピンクに染まっているのに傷んだ感じは全然なくてむしろツヤツヤ。
…ねえさっくん?
なんでご機嫌ななめなの?
今日は、一緒に帰ろって言ってくれないの?
そんなことを考えながらボーッとしているとこっちを向いたさっくんと目が合う。
「ごめんなさいっ」
謝って机に置いてあるカバンに隠れる。
「え…なんで謝るの」
「あ、いやこれはその、反射、というか」
「反射?」
「…さっくん、怒ってる、から」
「あ…」
さっくんはバツの悪そうな顔をしてわしゃわしゃと後頭部をかき乱した。
「ごめん、別にさっちゃんに対して怒ってたわけじゃないの。自分に腹が立って…」
「自分に?」
「さっちゃんが体調悪いの、気づかなかった」
涼太はすぐに気づいたのに、としょんぼりする。
「でも、涼太から聞いたよ。心配してくれてたんでしょ?」
「そりゃ心配でしょ!だって…」
何かを言おうとしてキュッと一瞬口を噤んだ。
「…さくさくコンビの仲じゃん」
「だから、いつコンビ組んだの」
「ごめんね、気づいてあげられなくて」
「んーん。…ありがとう、心配してくれて」
「ん」
「さっくん、帰ろ…?」
初めて私から誘ったその言葉にさっくんは目を丸くする。
「うんっ!」
いつもの弾けるような笑顔にキュンとした。
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涼-suzu-(プロフ) - 佐久間担さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです! (2022年4月5日 21時) (レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
佐久間担 - 大丈夫です!私もきゅんきゅんしました!さっくんっぽくて可愛いなと思いました! (2022年4月5日 17時) (レス) @page26 id: 20b86a31c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年11月3日 7時