15 ページ15
＿
「私ももっと可愛げがあったら、高校生の頃に翔太とこんな恋できたのかな」
「…なんだそれ」
「なんとなく。今思えば、あの時が1番幸せだったのかもって。ちょっと戻りたくなっただけ」
「…じゃあ戻ればいいじゃん」
翔太が再び私の頬に触れる。
そのまま優しく撫でてくる翔太と目が合えばなんだか熱を帯びたような視線だった。
そしてゆっくりと顔が近づいてきて、唇が重なった。
小さなリップ音を立てて名残惜しそうに離れていく。
不思議といやな気持ちはしなかった。
むしろ、もっとなんて思ってしまって今度は私から距離をなくした。
「…っ、」
「しょう、んっ」
すぐに離れたはずなのに、翔太にしっかりと後頭部を抑えられて何度もキスを繰り返す。
それに夢中になっていると背中にソファーの感触を感じた。
「…戻ってみる?」
返事をする代わりに首に腕を回せばフッと微笑んでまた私の唇に噛み付くようなキス。
さっき着たばかりの服は床に落とされてしまった。
「あっ、」
「いい声出んじゃん」
「…っ、」
「我慢すんなって、聞かして」
首を横に振ると、俺も嫌だと翔太も私と同じように首を振る。
「しょーたっ…だめ、」
「…こんなかわいいとこ、絶対あいつなんかに教えてたまるかっつーの」
十数年前とは違う、オトナになった彼から触れられる度にビリビリと痺れるような快楽を味わう。
心まで満たされるその行為をなんの抵抗もなく受け入れたのは欲求不満なんて理由じゃなくて…翔太だから?
いや、これもきっと…夜が深くなったせいだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2712人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼-suzu-(プロフ) - かりんさん» トキメキシリーズは全作リンクさせておりますので楽しんで読んでいただけたら嬉しいです( ᵒ̴̶̷᷄꒳ᵒ̴̶̷᷅ )涼さん褒めてもらってにやにやしております。笑 ありがとうございます。 (2022年10月22日 23時) (
レス) id: ece158555b (このIDを非表示/違反報告)
かりん(プロフ) - 阿部ちゃんの新作をみて久々にまだみれてなかった作品がいくつかありみたらリンクしてる！？と思う部分がありました 涼さんのお話はそういうとこが凄すぎるし面白い🤦♀️です！ お話も最高で主人公にすごい感情移入できました👍✨ (2022年10月22日 21時) (レス) id: 48bd583dd7 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ayaさん» いつもありがとうございます！しょぴまるが男を見せてくれてよかったです。笑 次のお話も楽しみにしててください！ (2022年6月22日 16時) (レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。大変申し訳ございません。今はリクエストを受け付けておらず…機会がありましたらその時はよろしくお願いします( *˙˙*)読んでいただきありがとうございました！ (2022年6月22日 16時) (レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - はぁ〜間に合ってよかったですー！！(*´ω`*)面白くイチャイチャ楽しい日々かと思いきやいきなりきたどん底でしたもんね！しょぴ頑張りました(´∀｀)このカップルの雰囲気大好きでした！！ありがとうございました💕 (2022年6月22日 10時) (レス) @page43 id: bc35f29a89 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2022年6月13日 16時
