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数日後、天気がよくて久しぶりに屋上へ向かう。
扉を開けると冷たい風が頬を撫でた。
「…なんで」
「よっ」
「何してるんですか、阿部先生」
「先回りしてみた」
どう?とあざとく首を傾げる。
「どうって…」
「はい、これどーぞ」
コロッケパンと温かいココア。
阿部先生は使っていない古びた机と椅子を持ってきて座った。
手には私と同じコロッケパン。
「…食べないの?」
「食べる、けど…いいの?」
「生徒と学校内でご飯を食べることは別に禁止されてないよ?いつも食堂で食べてる時、周りに生徒いるし」
「…食堂、ではね」
「まあまあ細かいことはいいの。ほら、座って?」
隣に持ってきた椅子をパシパシと叩いて手招き。
それでいいのか、先生。
不思議に思いながらも座ってパンの袋を開けた。
「…こないだはありがとね」
「なにが」
「俺、あんまり人に自分のこと話すの得意じゃないんだ。本当は聞いてほしいって思ってるけど大人になるにつれていろいろ相手のこととか考えちゃってさ」
足をゆらゆらさせながらパンをかじる阿部先生は私よりJKに見える。
「だから、話聞いてくれてありがと。Aがあの時言ってくれた言葉に背中押されたよ。時間はかかると思うけど、頑張ろっかなって」
そう言ってどこかふっ切れたような表情を見せた。
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涼-suzu-(プロフ) - shoさん» こちらこそこの作品を見つけてくださってありがとうございます(՞ ܸ. .ܸ՞)"キュンをお届けできてよかったです。 (2023年2月25日 14時) (レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
sho(プロフ) - すごく引き込まれて一気に読みました。キュンキュンが最後までとまりませんでした。この作品を読めた事に感謝です。 (2023年2月25日 13時) (レス) @page50 id: 342ef15a76 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mireさん» コメントありがとうございます!このセリフを絶対入れたいと思っていて書きながらここだ…!って自然に入れられたのでそう言っていただけて嬉しいです♪ (2021年12月5日 17時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
mire(プロフ) - 最高でした。阿部ちゃんの「ううん、からかってない」がもうMVが走馬灯のように頭に流れてキュンが止まらなかったです。これからも作品楽しみにしてます。 (2021年12月3日 15時) (レス) @page45 id: e802057471 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ユカさん» コメントありがとうございます!書いてる私も胸が苦しかったです(笑)もちろんニヤニヤもしました☆(やめろ)阿部先生に恋したくなったらまたいつでもここに来てください。 (2021年11月3日 6時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年10月20日 7時