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「そんなたらればの話したってしょうがないでしょ」
「…」
「本当にまだ彼女が好きなら…そんなに後悔してんなら追いかければいい。生きてんだから。会おうと思えば会えるでしょ」
「すごい説得力」
そう言うと阿部先生は俯いてしまう。
どんな表情をしているのかは分からないけれど阿部先生を抱きしめたい衝動に駆られて、グッと堪えた。
代わりに、バッグを漁り目的のものを見つけて先生の手にそれを握らせる。
「あげる」
「…さっきの子どもと同じ扱いしてない?」
阿部先生の手の上にちょこんと乗っているのはバイト中にきた子にあげたのと同じ飴。
「元気100倍、だよ」
「ふはっ。…ありがと」
「ん」
「ていうか、手冷たい」
阿部先生はポッケに飴をしまうと私の両手を包み込んだ。
「手ぇちっちゃ」
俺の手に収まってる!と嬉しそうに見せてくる。
上にあげなくたって見えてるし恥ずかしいからやめてほしい。
「生徒にこんな話をするとは…。しかも慰められてるし」
「それよりこの状況ってさ」
「んー、まあ、よろしくはないよね」
でもプライベートは俺の自由だし!って言うけど先生がそれでいいの…?
「Aが嫌がってるのに無理矢理この状況だったら話は別だけど」
「別に嫌がってない。むしろ…」
「ん?」
「なんでもない。もうすぐ1時間だから家まで送ってよ」
「はいはい」
誤魔化して阿部先生の手から抜け出した。
途端にひんやりとした空気が手にまとわりつく。
もしこれが恋人同士なら、クリスマスにあやかってもう少し一緒にいたいとか、帰したくないとか甘い展開が待ってるんだ。
この手だって、離さなくていい。
でも私たちは先生と生徒。
こうしてプライベートで一緒に過ごすことも本来禁止されているような関係。
苦しくなった胸を無視して阿部先生の車に乗り込んだ。
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涼-suzu-(プロフ) - shoさん» こちらこそこの作品を見つけてくださってありがとうございます(՞ ܸ. .ܸ՞)"キュンをお届けできてよかったです。 (2023年2月25日 14時) (
レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
sho(プロフ) - すごく引き込まれて一気に読みました。キュンキュンが最後までとまりませんでした。この作品を読めた事に感謝です。 (2023年2月25日 13時) (レス) @page50 id: 342ef15a76 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mireさん» コメントありがとうございます！このセリフを絶対入れたいと思っていて書きながらここだ…！って自然に入れられたのでそう言っていただけて嬉しいです♪ (2021年12月5日 17時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
mire(プロフ) - 最高でした。阿部ちゃんの「ううん、からかってない」がもうMVが走馬灯のように頭に流れてキュンが止まらなかったです。これからも作品楽しみにしてます。 (2021年12月3日 15時) (レス) @page45 id: e802057471 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ﾕｶさん» コメントありがとうございます！書いてる私も胸が苦しかったです(笑)もちろんニヤニヤもしました☆(やめろ)阿部先生に恋したくなったらまたいつでもここに来てください。 (2021年11月3日 6時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2021年10月20日 7時
