19 ページ19
＿
「どうぞ」
「…おじゃまします」
阿部先生の車だ。
助手席のドアを開けてくれて乗り込むと一気にさわやかな柑橘系の香りに包まれた。
ドキドキと胸が高鳴るのは阿部先生と2人きりだからなのか、学校の誰かに見られてたらどうしようという気持ちからか…。
流れる音楽は有名なJ-POPアーティストの曲。
阿部先生は運転中、私に一度も話しかけることなくずっと曲に合わせて小さく歌うだけだった。
15分ほど車を走らせて辿り着いたのは街の景色を一望できる高台。
「…すごい」
「この時期はイルミネーションもあるからより景色がきれいに見えるんだ」
車を出て景色を眺めていると後から降りてきた阿部先生が私にブランケットを掛けてくれる。
「先生寒くないの?」
「それは一緒にブランケットに入っていいってこと?」
「…なんでそうなるの」
「ふは。冗談。大丈夫だよ俺は」
阿部先生はロングコートのポッケに手を突っ込んで空に向かって白い息を吐く。
「…なんで俺が振られたって知ってるの?」
「え」
「彼女いる話は生徒にも他の先生にもしたことないからびっくりしちゃった」
もしかして現場にいた?とふざけて怖がる先生。
「知らないよ」
「え、もしかしてテキトーに言ったの?こっちの話とか濁してたからてっきり振られてる現場を見られちゃったのかと思った」
「…見た」
「え、やっぱり…」
「夢で、見た」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 805人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼-suzu-(プロフ) - shoさん» こちらこそこの作品を見つけてくださってありがとうございます(՞ ܸ. .ܸ՞)"キュンをお届けできてよかったです。 (2023年2月25日 14時) (
レス) id: 6a2e5ac073 (このIDを非表示/違反報告)
sho(プロフ) - すごく引き込まれて一気に読みました。キュンキュンが最後までとまりませんでした。この作品を読めた事に感謝です。 (2023年2月25日 13時) (レス) @page50 id: 342ef15a76 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - mireさん» コメントありがとうございます！このセリフを絶対入れたいと思っていて書きながらここだ…！って自然に入れられたのでそう言っていただけて嬉しいです♪ (2021年12月5日 17時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
mire(プロフ) - 最高でした。阿部ちゃんの「ううん、からかってない」がもうMVが走馬灯のように頭に流れてキュンが止まらなかったです。これからも作品楽しみにしてます。 (2021年12月3日 15時) (レス) @page45 id: e802057471 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ﾕｶさん» コメントありがとうございます！書いてる私も胸が苦しかったです(笑)もちろんニヤニヤもしました☆(やめろ)阿部先生に恋したくなったらまたいつでもここに来てください。 (2021年11月3日 6時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2021年10月20日 7時
