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その予感は的中。
麗奈は教室の窓際まで走って窓を全開にして大きく息を吸い込んだ。
「すいませーん!」
「え!?ちょっ、麗奈!?」
そんな麗奈を追いかけて制するが意味なし。
「2年生なんですけど!その暴露大会って!参加できますかー!!!」
校庭にいる司会者らしき3年生が両腕で大きな丸をする。
「よかったね!大丈夫だって!」
「よ、よくないってちょっと!ねえっ!」
麗奈にグイッと肩を持たれて窓際に立たされる。
「この子が参加するので今から行きまーす!」
ピシャリと窓を閉めてスッキリした顔の麗奈。
いや、なんで麗奈がスッキリしてるの…?
「善は急げって言うじゃん」
「これ、善、なの?」
「そうだよ。ね!阿部先生」
「ん?」
偶然廊下を通りかかった阿部先生が足を止める。
「善は急げってことわざあるよね?」
「…よく知ってるね」
「あ!うちのことバカにした」
「ふふ、してないしてない。そのことわざがどうかしたの?」
「恋って善だよね?」
「…うーん」
麗奈を見ていた阿部先生と目が合う。
「急がば回れって言葉もあるけど…急いでみても案外いいことがあるかもしれないね」
まあ、急がば回れだったとしても先生は責任とれないけどと言う阿部先生と…
「ほら!」
と、得意げな麗奈。
「じゃあね阿部先生!ありがと!」
私の手を引いて校庭に一目散に走り出した。
「…さ、俺はたこ焼き買いに行こーっと」
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年10月4日 6時