Sweet Sunny! (ページ11)

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ついにやってきてしまった。

朝のホームルーム。

ドアの近くでニコニコする阿部先生に、教卓に立ち緊張している私。

目の前に座っている真野さんが小さく頑張れと声をかけてくれた。

「えっ、と、来月に文化祭があるのでこのクラスでの出しものを決めたいと思います」

文化祭は文化部の私がクラスのリーダーとならなければいけない。

2年生にあがってくじ引きで決まってしまったこと。

仕方ないとはいえ自分のくじ運のなさにがっかりする。

だって1年生の時もくじ引きで文化部だったから。

もちろんクラスの人とはほぼ話したことなかったし人前で話すなんて人生で初めてだった。

緊張のあまり声は小さいし何言ってるか分からないしで誰も何も言ってくれなかった。

そんな殺伐とした雰囲気の中進めていた記憶がこびりついて正直トラウマ。

何も話せず下を向いていると向井くんがわたしに声をかける。

「俺ははるる部長についてくで!」

「…私、部長じゃなっ」

「まぁまぁ細かいことはええねん。んで、何からしたらええの?」

ここに来て初めての文化祭やからようわからんくてな〜と笑う向井くん。

もしかして、私のこと助けてくれた…?

「出しものの候補をいくつかあげてそこから絞っていきたいので、なにかやりたいことある人いますか?」

黒板に"候補"と書いてゆっくりとクラスメイトの方を向くとみんな近くの人と話し合ってくれていた。

「お化け屋敷!」

「コスプレカフェとか?」

「そら俺がメイドコスやらなあかんな」

「やめて康二キモい」

「おい!俺はかわええんやで!?」

向井くんを見ると目が合ってちょっとぎこちないウインクをしてくれた。

「体育館借りれるなら演劇とか盛り上がりそうやな」

演劇…。

「康二とはるるの漫才もええな」

康二とはるるの漫

「はっ!?」

ここまで書いて気づいて黒板消しでゴシゴシと消していく。

「気づいたか!いけると思ってんけどな」

「漫才しませんっ!」

そしてなぜか最終的にはたこ焼き屋さんに決まったのだった。