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声のした方を見ると隣の席の真野麗奈さんとその友達の水城凛さんが私を見ていた。
この2人はクラスの中でも目立っている女子で正直苦手。
「あるじゃん感情」
「ていうか普通に喋ってるし」
キャハキャハと笑う2人。
知ってる。
喋らないし表情も変えないから陰で、実は私がアンドロイドなんじゃないかって噂されてることは。
でも直接言われたわけでも手を出されたりいじめられたりしてるわけじゃないから、知らないフリしてずっと黙って耐えてきた。
だけど…
「はるるはロボットちゃうぞ」
向井くんが私を背中に隠すようにして、2人へ言う。
「なに、康二怒ってんの?」
「はるるも大事な友達やねんからそんな言い方されたら俺も気分よくないねん」
「向井くん、私大丈夫だか…ら?」
向井くんは私を立ち上がらせると私の後ろに立ち、両手首を掴んだ。
「話してみんと、見てるだけじゃ分からへんこともあるねんで?」
ちょっと掠れた高めの声を出して私を腹話術の人形のように操る。
両手をグーにされ、そのまま頬にくっつけられてあざといポーズをさせられる。
「私っ、関西弁じゃないから!」
「そこかい!」
すると真野さんと水城さんがゲラゲラと笑いだした。
「あー、春崎さんおもしろっ」
真野さんの言葉に恥ずかしくなって顔を隠す。
「せやろ?」
「ちょっと、向井くん…」
「てか康二、はるるってなに」
「春崎やからはるる。ええやろ?自分らもそう呼んでええで?」
「それ、向井くんが言うことじゃないから…」
「あはは!康二言われてるよ?」
「なんかコンビ芸人みたい」
「はるる今度漫才のネタ考えような」
「…か、考えません」
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年10月4日 6時