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「Aさぁ〜いつまで"向井くん"なの?」
「それなぁ」
「…いつまで、って?」
放課後、部活もバイトもない人たちで文化祭当日用の飾りや看板作り。
「みんな康二って呼んでるよ?」
「…う、うん」
「うん、って…」
初めて向井くんと話した時、康二って呼んでって言われたことを思い出す。
「名前で呼んだら康二も少しはAのこと意識しちゃうかもね〜?」
「…男は単純だから?」
「え、A誰にそんな知恵ぶっ込まれたの?」
「向井くん…」
「なになに!?どういう経緯で!?気になる!!」
なぜか期待の眼差しを向けられて、いつかの放課後にあった出来事を2人に話した。
「てか妹も本当に恋してるの?」
「…彼氏いるよ妹は」
「うはは!!先越されてる」
「麗奈、笑いすぎだお前は」
「だって!!!」
「妹は私と違って明るくてすごく可愛いの。私のことも慕ってくれて、優しい」
「じゃあそんな大差なさそうだけどね」
「え?」
「Aもおもしろ可愛いし、優しいし、すごく可愛い」
「おも、しろ…?」
「まあとにかく、康二に彼女がいないなら全力でアピるしかないって」
「そのためにはまず康二って呼ぶことから始めましょう」
「…はい」
「あ、でもその前に」
真野さんが勢いよく手を挙げた。
「うちらのことも真野さん、水城さんじゃん?」
「たしかに、私たちは名前で呼んでるよ?」
「じゃ、じゃあ…凛ちゃんと麗奈ちゃん…とか?」
「もう一歩!」
「…凛と、麗奈」
「呼べるじゃん」
「凛のことはリンリンでもいいんだよ?」
「やだよリンリン」
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年10月4日 6時