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「あ、そうだ」
彼女は何かを思い出したようでテーブルの上に置いていた小さな紙袋を手に取った。
「これ、どうぞ」
「…?」
俺、誕生日…はもうちょい先だよな?
「その…迷惑かけたから、お詫び」
受け取って分かった。
彼女の家に入ってからずっといい香りがしていて、正体はこれだったのかと。
「一緒に飯行ってくれたらそれでいいって言ったのに…」
「やっぱりそれじゃ私の気が済まない」
「そっか。うん。ありがと」
「よく行く石けん屋さんでね、この匂いがなんだか…翔太くん、ぽいなって思ったから気に入ってもらえたら嬉しいな」
そう言って目を伏せて微笑むA。
俺がいないところで俺のことを考えて俺のために選んでくれた事実にニヤけそうになる。
「気に入るに決まってんじゃん」
「ふふ。まだ使ってないのに?」
おかしいなぁもうって笑う彼女がどうしようもなく愛おしくなった。
「…ごめん」
「…っ、!」
あー、さっきは我慢できたのになぁ。
そう思いながらAを自分の腕の中に収める。
「ちょっとだけ、こうしてていい?」
Aは何も返事をしなかったけれど俺の胸元をキュッと控えめに掴んで肩に頭を預けてきた。
俺は、抱きしめる力を少しだけ強くした。
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涼-suzu-(プロフ) - ピカンチ★さん» 大洪水…それはせきとめていただきたいですが難しいですかね?笑 こちらこそありがとうございます。よかったら続編も読んでください♪ (2022年3月24日 15時) (レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
ピカンチ★(プロフ) - きゅんきゅんの大洪水!最高でした!ありがとう❤️ (2022年3月23日 23時) (レス) id: 7ecf4502c1 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ちゅん助さん» コメントありがとうございます!私の中でこの2人をカップルにするならあざとい策士のふっかと天然のあざといさっくんって感じなので(伝われ)それがうまく表現できていたら嬉しいです。 (2022年1月29日 21時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - さーちゃんさん» コメントありがとうございます!ふかさくのお話をもっと見たいとおっしゃっていただいたのでふっかサイドの気持ちでも書いてみっか!といいきっかけになりました(*^^*)ニヤキュン(とは)できてよかったです! (2022年1月29日 21時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - けいちゃんさん» こんばんは。コメントありがとうございます!ふっかのリアコ感出せてましたか…?こういうお話を書くのは初めてだったので不安でしたがそう言っていただけて安心しました。 (2022年1月29日 21時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2022年1月18日 0時