君との距離は何cm？(F side) ページ44
＿
「ふっかのことが好き」
いつもの元気はどこへやら。
小さく震える声で佐久間からそう伝えられた。
偏見はないけど、佐久間と恋人になるとかは考えられなくて。
でもこのまま気まずくなって友達でさえもいられなくなるのもいやだった。
佐久間もいろんな覚悟を決めて伝えてきたんだろうなぁ。
「佐久間の気持ち嬉しいよありがとう」
「ん、」
「友達でいたい、かな。俺は」
「…え」
弾けたように俺を見て我慢していた涙を流し始める佐久間。
あー、言い方間違えたかも。
「友達で、いてくれんの…？」
そう思ったのに、返ってきた言葉は振られることを分かっていたらしい。
「俺のこと、気持ち悪いとか思わねぇの…？」
「ふはっ、思わねぇよ」
これが恋人になる1年前の俺たち。
佐久間はきっと気を使って今までみたいに気さくに話しかけてくることをやめるだろう。
そう思って俺から連絡したり以前より佐久間の家に行ったりして、俺は大丈夫だよっていうのを分かってほしかった。
告白されて半年後のとある日。
佐久間の家でいつものように漫画を読み漁っていたらいつの間にか眠りについていた。
だけどなんだか頭に温かくて柔らかい何かを感じて目を覚ます。
「ふっか、ごめんね」
俺を起こさないようにするためか独り言のように小さく呟いた。
温かくて柔らかい何かの正体は佐久間の手だったのか。
完全に目を開けるタイミングを失った俺は寝たフリをして佐久間の言葉を聞くことにした。
「好きになって、ごめん。俺も早くふっかのこと友達って思いたいんだ。でもまだ諦めれそうになくて…もうちょっと、待ってね」
穏やかな声でそう言って頭から手を離した。
「俺の気持ち分かってても変わらない態度でいてくれてありがとね」
離れていく足音に寂しさを覚える。
＿＿＿好きになってごめん。
＿＿＿まだ諦めれそうになくて…もうちょっと、待ってね。
もしこのまま佐久間が俺を諦めたとしたら、誰を好きになってそいつにどんな顔を見せるのか。
俺みたいに急に家に来ても仕方ねぇなってちょっと嬉しそうな顔して鍵を開けてあげるんだろう。
大きい声で笑って心の底から楽しそうにするんだろう。
それを想像するとなぜだかあまりいい気はしなかった。
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涼-suzu-(プロフ) - ピカンチ★さん» 大洪水…それはせきとめていただきたいですが難しいですかね？笑 こちらこそありがとうございます。よかったら続編も読んでください♪ (2022年3月24日 15時) (
レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
ピカンチ★(プロフ) - きゅんきゅんの大洪水！最高でした！ありがとう❤️ (2022年3月23日 23時) (レス) id: 7ecf4502c1 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ちゅん助さん» コメントありがとうございます！私の中でこの2人をカップルにするならあざとい策士のふっかと天然のあざといさっくんって感じなので(伝われ)それがうまく表現できていたら嬉しいです。 (2022年1月29日 21時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - さーちゃんさん» コメントありがとうございます！ふかさくのお話をもっと見たいとおっしゃっていただいたのでふっかサイドの気持ちでも書いてみっか！といいきっかけになりました(*^^*)ニヤキュン(とは)できてよかったです！ (2022年1月29日 21時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - けいちゃんさん» こんばんは。コメントありがとうございます！ふっかのリアコ感出せてましたか…？こういうお話を書くのは初めてだったので不安でしたがそう言っていただけて安心しました。 (2022年1月29日 21時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2022年1月18日 0時
