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＿
「涼太」
「あ、お疲れ様」
「お待たせしてごめん。あの返事…しようと、思って」
「俺とずっと一緒にいるって覚悟決めてきた？」
「…その言い方、ずるい」
「ふふ、うそうそ。ごめんね」
「私…」
「大丈夫。分かってるから」
「…ごめん、ね」
「謝らないで。でもお願いがあるんだ」
「うん、何？」
「俺がフランスに行く日までは…彼女でいて？」
最初で最後の涼太のお願いを受け入れた私はお別れのその日までたくさん涼太と思い出を作った。
「ありがとう。お見送りまで来てくれて」
「当たり前だよ。…彼女だもん」
「…そうだね」
涼太と一緒に過ごした日々はあっという間で、気づけばもうフランスへ旅立つ日になっていた。
最後の日は1日中一緒にいて、いつもよりたくさん愛を確かめあった。
「気をつけてね」
「うん」
「頑張りすぎないこと。たまには息抜きしてね」
「うん」
「ご飯ちゃんと食べて、しっかり寝て、それからっ…」
そこまで言うと涼太の体温に包まれた。
「大好きだよ。本当は…手離したくない」
強く抱きしめる涼太の腕から伝わる気持ち。
「だけど自分で決めた道だし、Aが応援するって言ってくれたから、頑張ってくるよ」
「うん」
泣いちゃダメだと思って溢れてきそうな涙をグッと堪える。
「涼太」
「うん？」
「幸せな毎日をありがとう」
「こちらこそ、ありがとう。この気持ちはずっと忘れないよ」
「うん、私も」
「じゃあ、行ってきます」
「…っ、行ってらっしゃい」
これが私たちの別れ。
お互い、さよならは言わなかった。
搭乗口で改札を抜けた涼太が振り返らずに右手を上げて作ったハンドサインの意味は、愛してる。
姿が見えなくなった途端、今朝まで包まれていた涼太の体温を思い出し、我慢していた涙が一気に溢れて人目も気にせずロビーでしばらく泣いた。
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涼-suzu-(プロフ) - ピカンチ★さん» コメントありがとうございます！何回でも読んでにやけに来ていただけると嬉しいです(貪欲) (2022年3月24日 15時) (
レス) id: 7e38231ab5 (このIDを非表示/違反報告)
ピカンチ★(プロフ) - 口がにやけて奥歯がむず痒いです！素敵なお話に出会えて嬉しいです！続き読みにいって参ります (2022年3月23日 22時) (レス) @page48 id: 7ecf4502c1 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - いくらさん» コメントありがとうございます。しょぴまる頑張りますので最後まで見届けてあげてください…！ (2022年1月13日 0時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
いくら - 面白いです！しょっぴーがんばれ！！ (2022年1月12日 21時) (レス) @page23 id: d9e219f567 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - のるーんさん» お心遣いありがとうございます…m(_ _)m期待に添えられるか分かりませんが最後まで楽しんでよんでかいただけるよう頑張りますのでよろしくお願いします！ (2022年1月9日 4時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2022年1月8日 0時
