24 ページ24
_
「髪戻しちゃったの?」
「あれは夏休み限定の髪色だったの」
「…でも、いつものポニーテールじゃないんだね?」
「渚のおかげでヘアアレンジとかメイクとか楽しくなっちゃってさ」
今日は髪をおろして毛先を巻いてみた。
「うん!かわいい!」
渚がギューッと私に抱きつく。
「あはは、苦しいよ」
「かわいいけど」
「ん?」
「…元気ない」
「…そんなこと、ないよ?」
「あたしの目は誤魔化せませんっ」
新学期が始まって早々、放課後にあの公園へ行く。
「舘様と、なんかあった?」
「ううん。何もない」
「…」
「何もないから、やなの」
「A…」
「花火大会の日、涼太先輩…出店のお手伝い抜けて、家に来てくれたの。花火一緒に見に行こって、言ってくれて」
目頭が熱くなって込み上げてくるものを落ち着けるために目を瞑って深呼吸をひとつ。
「多分、1人で見るのがかわいそうって思って言ってくれた先輩の優しさなのは、分かる。分かってるけど、勘違い…しちゃいそうになるの」
「うん」
「だから、彼女とこに行ってあげたらどうですかって、思ってもないこと言って…でも、涼太先輩にはバレバレだった」
「なんて、言われたの?」
「行ってほしくないって顔してる、って言われた。だけどすぐに今のはずるかったよねって…彼女のとこ、行ったの」
「…そっ、か」
「告白して振られて、次に進むために見返そうって渚にも協力してもらってるのに…どんどん好きな気持ちが、大きくなってくの」
堪えきれず流れた涙が一筋頬を伝う。
「だから、あの日から会わないようにしてるのに…気づいたら涼太先輩のこと考えてて、私やっぱり涼太先輩のこと、諦められない」
「何もしてあげられなくてごめん」
渚にふんわりと抱きしめられる。
「なんで渚が泣いてるの」
「あたしまで苦しくなっちゃって」
「ありがとう。でも、渚は上手くいったんだから、私の分まで笑ってよ」
「…!分かった」
722人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼-suzu-(プロフ) - 村瀬さん» コメントありがとうございます!残り話数が少なかったので短いAfterStoryになってしまったのですがいかがでしたか…?次の作品もぜひ!楽しみにしていてください!(自分でハードルあげるタイプの人間) (2022年1月5日 21時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
村瀬(プロフ) - まさかこの小説の続きが見れるなんて…!!超感激です!!これからも涼さんの小説楽しみにしています。 (2022年1月5日 21時) (レス) @page50 id: be3cd904b8 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ちゅん助さん» コメントありがとうございます。お兄ちゃんの視点からのお話も面白いかもしれませんね(¯v¯)考えてみます! (2021年11月25日 14時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - なおひとさん» こちらこそありがとうございました! (2021年11月25日 14時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん助(プロフ) - ニヤニヤしながら読んでしまいました!!ハピエン最高です!!💓これ兄sideも読みたいです✨素敵な作品ありがとうございました😊✨ (2021年11月25日 10時) (レス) @page46 id: 25f5a7cb9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年11月13日 9時