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涼太先輩を家に入れてベランダに2人で並んで立つ。
「浴衣姿も可愛いね」
金魚がたくさんいる、とまじまじ浴衣を見つめられる。
「…そんなこと、ないです」
「もしかして、誰かと行く予定だった…?クラスの男の子、とか」
「…え?」
「ベランダにいたし、その人が迎えに来るの待ってたのかな、って。だとしたら俺」
「1人で見る予定でしたよ」
「…そっ、か」
「雰囲気だけでも味わおうと思って」
「行こうよ、会場」
「え」
「勿体ないよ。ここまでしてるのに」
「でも先輩、彼女さんがっ」
「…言ったでしょ?人混み苦手なの。だから来ないよ」
「せっかく出店のお手伝い抜けれたなら、彼女さんのとこ行ってあげればいいのに」
本当は涼太先輩と花火見たい。
手繋いで、出店まわっておいしいねって共有したい。
だけど…私はそれを許される立場じゃない。
「…目の前にこんな可愛いAちゃんがいて、置いてけるわけないでしょ」
どこまでも優しい涼太先輩。
だけどその優しさが今の私には痛いほど突き刺さる。
「それに」
涼太先輩はそっと私の頬を両手で包んだ。
「…行ってほしくない、って顔してるけど」
「…!それはっ」
「ごめん。今のは…ずるかったね」
先輩の手が私から離れていく。
「Aちゃんが言うように、せっかくだし…行ってくるよ」
「…そうしてあげてください」
私は俯いたままそう言った。
今、顔をあげることはできないから。
ガチャン、と玄関のドアが閉まる音がしてベランダでしゃがみこむ。
今日だけは、涼太先輩が帰っていく姿をここから見られそうにない。
背後に大きな花火の音を感じながら静かにコンクリートを濡らした。
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涼-suzu-(プロフ) - 村瀬さん» コメントありがとうございます！残り話数が少なかったので短いAfterStoryになってしまったのですがいかがでしたか…？次の作品もぜひ！楽しみにしていてください！(自分でハードルあげるタイプの人間) (2022年1月5日 21時) (
レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
村瀬(プロフ) - まさかこの小説の続きが見れるなんて…！！超感激です！！これからも涼さんの小説楽しみにしています。 (2022年1月5日 21時) (レス) @page50 id: be3cd904b8 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - ちゅん助さん» コメントありがとうございます。お兄ちゃんの視点からのお話も面白いかもしれませんね(¯ｖ¯)考えてみます！ (2021年11月25日 14時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
涼-suzu-(プロフ) - なおひとさん» こちらこそありがとうございました！ (2021年11月25日 14時) (レス) id: e1cb7f51d3 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん助(プロフ) - ニヤニヤしながら読んでしまいました！！ハピエン最高です！！💓これ兄sideも読みたいです✨素敵な作品ありがとうございました😊✨ (2021年11月25日 10時) (レス) @page46 id: 25f5a7cb9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：涼-suzu-
| 作成日時：2021年11月13日 9時
