サッカー部の目黒くん

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目黒くんと付き合って分かったこと。


「おはよ」

「おはよっ」

「いつもこの時間の3号車乗ってるの?」

「そうだけど…?」

「一緒に行けない時は、4号車に乗って」


4号車は女性専用車両。


「なんかあったら心配だから」

「大丈夫だよ?」

「ダメ。なんなら俺が乗る駅まで4号車にいてほしいくらい」


すごく心配性なこと。


「目黒くん」

「ん?」

「ここ漢字、違う」

「…あれ」

「こっちも」

「…」


お勉強が苦手なこと。


「この駄菓子美味しそうだよ」

「…」

「…?」

「…」

「おーい、」

「ん?あ、わりぃ」


ひとつの事に集中しちゃうと周りが見えなくなるのは本当だってこと。


「はい」

「ん?」

「手」


デート中はできる限り手を繋いでおきたい派、らしい。


「今日楽しかったな〜」

「ほんと、楽しかった」

「次どこいこっか」


楽しい時間はあっという間。

まだ話し足りないのに気づけば私の家の前。

目黒くんが降りなきゃいけない駅はもっと前だったのに家まで送らせて欲しいと言われて断れず、今に至る。


「ごめんねわざわざ…」

「俺が送りたかったんだからAが謝ることじゃないよ」

「んー…ありがとう」

「うん。じゃあまた学校で」

「またね」


するりと手が解ける。

この瞬間がたまらなく寂しい。

明日学校で会えるのに。

そう思っていたら掴まれる手首。

そのままグイッと引っ張られ目黒くんとゼロ距離に。


「なっ…」

「じゃあね。あとで連絡する」


今度こそ手を振って帰っていく目黒くん。

今日の新しい発見｡

目黒くんは大胆なところがある。

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