サッカー部の目黒くん

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その日の夜、ベッドでゴロゴロしながらふと思い出す。


「あ、そういえば」


目黒くんから返してもらった包みをカバンから取り出して結び目を解く。

何が入ってるんだろ。

なんだか浦島太郎みたいな気分だなぁ。


「…これ、は」


包みを開けるといろんな種類の駄菓子。

想定外なことに目をぱちぱちさせる。



「俺、駄菓子めちゃくちゃ好きでさ、休みの日は絶対近くの駄菓子屋さん行くの。行き過ぎてお店の人に顔も名前も覚えられちゃった」


すぐにお礼がしたくてちゃっかり交換したチャットにメッセージを送るとかかってきた電話。

こんなにいい声で"駄菓子屋さん"と言う人がこの世に存在したのか。


「…駄菓子あんまり好きじゃなかった?」

「ううん!駄菓子好き!ついつい食べちゃう」


だけどこれは目黒くんから初めてもらったプレゼント。

食べるの勿体ない、な。


「また買ってきてあげるよ?」

「え」

「だから勿体ないなんて言わないで食べてよ」

「もしかしなくても、声に出てた…?」

「え、無意識?」

「…うん」


目黒くんのツボだったようでずっと笑っている。

恥ずかしすぎる。


「はぁー。…あ、そうだ。明日って予定ある?」

「明日?特に…ないけど」

「明日14時くらいに部活終わるんだけどよかったらそのあと一緒に駄菓子屋行かない?」

「…え」

「無理にとは言わな」

「行く!」

「ふはっ!んじゃあ明日、楽しみにしてる」

「うんっ」

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