サッカー部の目黒くん

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＿


「これ…」


お昼休み、どうにか望実についてきてもらって目黒くんの教室へ。


「…もうホットじゃなくなっちゃったけど」

「んーん。ありがとう」


目黒くんに、約束してたホットサンドを渡すと大切そうに受け取ってくれた。


「容器、使い捨てのやつだから。包みは…あ、今もらっとこうか…?」

「…」

「…ん?」

「一緒に食べないの?」

「え…?」



結局目黒くんの教室で目黒くんと康二、望実と私の4人でご飯を食べることになった。


「イツメンや」

「いつからイツメンなの」

「お、なんかダジャレっぽいな今の」

「…」

「すいませんでした」


私は、緊張して望実と康二のやりとりに引きつった笑いしかでない。


「そんで君らはまた並んで同じもの食べてるやん」

「俺らかわいいもんな?」


笑いかけてくれる目黒くんに必死に何度も頷くので精一杯。

目黒くんがひと口ホットサンドをかじる。


「…うまっ」


隣で小さく零した言葉をしっかりと聞き取って安心する。


「あ!A今、ホッとしたな?ホットサンドだけに!」

「…」

「すいませんでした」


「これちょっと借りてていい?」


ご飯を食べ終わって目黒くんが容器を包んでいた布を持って話しかけてくる。


「うん、大丈夫だけど…?」

「今週中には返すから」


本当は使うならあげてもいいんだけど返しに来る=また話せるということに気づいて、あげるよなんて言えなかった。


「めめ、初めてやな。女の子からのお弁当受け取るの」

「…まあ」

「しかも作ってほしいってお願いまでして」

「羨ましいの?」

「なんでそうなんねん」

「だって好きなんじゃないの?Aさんのこと」

「…はっ!?なっ、そんなわけっ、ないやろっ!!!」

「ははっ!分かりやすっ」

「…そういうめめはどうやねん」

「んー…そうだなぁ」


私たちが教室に帰ったあと、2人がこんな会話をしてたことはこの先もずっと、知らないまま。


「俺も、康二と同じだよ」

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