近すぎて言えない。

３１：Side 青※※裏表現注意※※ ページ31

　
　
　
　
「――ッあぁ！……はっ……」


　ゆっくり腰を進める。ずぶずぶと入っていく度に、
　涼太も俺も息が乱れた。


　やば……マジで余裕ないわ。


　めちゃめちゃ気持ちいい。


　腰を早めるとすぐいきそうになる。
　
　
　
「あっあぁッ！あぁ！――ッッ！」
　
　
　
　涼太が自分の声に慌てて枕に突っ伏す。


　俺は後ろから覆いかぶさり、枕を取った。
　
　
　
「取んっ……なッ……あっ……ッ……！」
　
　
　
　眉を寄せた余裕のない顔。


　普段の涼太が絶対見せない顔。


　聞いたこと無い声。
　
　
　
　俺の理性はそこで切れた。
　
　
　
「んっんんっあ！？」


　激しくなって涼太の背中がしなる。


「ッ涼太……！」


　こめかみらへんにジリジリとした感覚。
　
　
　
　
　もっと、もっと、もっとって、
　頭の中がいっぱいになる。
　
　
　
　
　涼太の前も刺激を送り、
　涼太の頭の中もいっぱいにさせる。


「――ッあァ……ハァ……！」
　後ろから力いっぱい抱きしめて俺の熱を注いだ。
　
　
　
　
　
　静かに息を整えながら、
　後ろから涼太を抱きしめていた。


　満ち足りた時間って感じがする。


　肌の感触。
　体温。
　髪の匂いを堪能する。


　涼太の耳どこだ。
　
　
　
　
「……ずっと好き……」
　
　
　
　
　面と向かってじゃなく、背中越しだけど、素直に言えた。
　
　
　
　
「……何度も……刻んで行くから……ずっと……」
　
　
　
　
　
「……ええー……」
　
　
　
　
　
「え、“ええー”！？」


　思わず起き上がって顔を覗き込んだ。


「これきりで良くない？」


　あ、笑ってる。


　なんやねん！

　もうびっっくりした。
　
　
　
「いや……全ッ然良くない」

「んふふ」
　
　
　
　ふわりと笑った涼太の顔。


　胸辺りに何か広がった。
　
　
　
　これたぶん、いやほぼ確で、
　
　
　
　
　愛おしいっていう感覚。
　
　
　
　
　
　本物だわ。
　
　
　
　
　
　
　

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