15:Side 赤 ページ15
仕事終わり。
共同スペースで待ち合わせして、そのままタクシー拾ってアイテムショップへ。
帰りに寄ろうと思ってたんだよね。
新しい皿欲しいなって思って。
翔太もいいって言ってくれたし。
それにただ一緒に、まっすぐ帰るっていうのも、やっぱり言いにくいかもなって思った。
会計を済ませて外へ出る。
これからどうしようかな。
「喉渇いたからコーヒー買って、せっかくだし公園を通って駅までいかない?」
「あーいいね。俺も喉渇いた」
翔太も共同スペースにいた時より、わりとリラックスしているみたいだ。
「最近実家帰ったらさ」
「うん」
歩きながら他愛ない話の続きをする。翔太とは地元の話とかが多くなる。
嫌いも何もない話だから、飽きたりとかは無いし、少しだけ帰ってきたような感じがするからいい。地元が近くにいる感じ。
少し薄暗くなった公園は人通りもあまり無い。
静かな遊歩道を歩きながら、ちょっと内心困りはじめた。
話がうっかり盛り上がっちゃった。
悩みを言い出しやすい雰囲気づくりしようと思ったのに。
(……困ったなぁ……)
しかもあと少しで遊歩道終わるんだよねぇ。
公園を抜ければ、駅まですぐだから、そろそろ本当に帰る。
ここまで悩みの相談らしいものは一切無い。
まだ話しにくかったかなぁ。
そりゃそうか。2人で公園歩いたからって、ほとんど人通りもないからって、打ち明けられるとは限んないよなぁ。
それにいつの間にか、あまりこういう事しなくなったなって思った。
別にどちらかがそうしようって言ったわけじゃないけど。
いつの間にか、
離れなくていいものも、離れてたのかもしれない。
俺も、どうしたら翔太が悩みを言ってくれるか、分からなくなった。
俺にしか分からない程度の変さ具合なんだから、俺が分かってやらなきゃなんだよねぇ。
放っておいても、元に戻らないなら……いつか俺から聞くしかないのかな。
(――あ、公園出る……)
遊歩道出口の向こうが見える。車道とビル、足早な通行人が横切っていく。
終わるか。
仕方ない。
今日はそういう日じゃなかった。
出口に向かおうと歩いていると、急に翔太が立ち止まった。
振り返るとさっきまでの笑顔は無くなっていた。
すごく緊張している様子で、宙を見つめて、やがて力強く息を吐いた。
「涼太」
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Nika(プロフ) - Sさん» ありがとうございます!そういったコメントを頂けると、こちらも何度でもキュンキュンします!そんなコメントを下さるS様の方が最高です!泣 (9月13日 16時) (レス) id: 4ac685f542 (このIDを非表示/違反報告)
S - 何回読んでもキュンキュンします、、、 最高です! (9月12日 1時) (レス) @page9 id: 9c31734f1d (このIDを非表示/違反報告)
Nika(プロフ) - aytuさん» ありがとうございます!次の作品内容は完全に未定ですが、きっとまた「〇×赤」になります。また私の妄想と自己満足がお気に召して頂けたら嬉しいです。 (2020年8月24日 8時) (レス) id: 1bf233ec58 (このIDを非表示/違反報告)
Nika(プロフ) - ゆうみさん» コメントありがとうございます!自分でも書いてて赤様が男らしいなぁと思ってました。それでも楽しんで頂けたようで良かったです。私が書く赤様は右固定なので、すいませんそこだけよろしくお願いします^^;次の作品でも楽しんで頂けたら幸いです。 (2020年8月24日 8時) (レス) id: 1bf233ec58 (このIDを非表示/違反報告)
aytu(プロフ) - 完結おめでとうございます!大好きです!素敵な作品ありがとうございます。新作も楽しみです。 (2020年8月24日 0時) (レス) id: f27aee443f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Nika | 作成日時:2020年5月8日 0時