無慈悲な彼は女の子（軍パロ）【d！】 (ページ13)

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第12話ページ13

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あの後、淹れて頂いた紅茶を飲み、ありがたくお菓子も少し頂いた私は今、自室へと戻っている。
途中でオスマンさんから連絡があり、「拷問の後片付けは俺がやる」とのこと。
私がやる、と必死に言い張ったが「休むんやで〜」の一点張りだった。今度、何かお礼を差し上げなければ。

...と考えていれば、なにやら騒がしい声が聞こえてくる。

sho「シッマ遅いで？wこのスピードにもついてこられへんの？？」

kn「なんやてぇ？！こっからやこっから！！」

その声の方を見れば、シャオロンさんとコネシマさんが訓練所で模擬戦をしているようで。
その周りでは、彼らの部下が少し呆れたような表情で2人を見守っている。
...2人の腕は確かだが、煽り合うその様子は幼い子供がじゃれ合っているようにしか見えない。

sho「あ、Aやん！」

『？！』

ぼーっと彼らを眺めていれば、シャオロンさんが急に私の名を呼んだ。
すると、コネシマさんも私に気が付いて。

sho「シッマ、ちょっと待っててくれへん？」

kn「なんや、シャオロン」

...どうやら、私のせいで模擬戦は中断になってしまったようた。
シャオロンさんは、部下に「一旦休憩や！」と言って、私の元に走ってくる。

sho「...仕事終わり、やんな？」

『えっと...まぁ、はい』

嘘をつく意味はないと思いそう言えば、彼は突然ぎゅっと私を抱きしめてきた。...ん？これはどういう...？

『あ、あの...？』

そう話しかけても、何も返事は返ってこない。
どうすればいいかわからず呆然としていれば、彼は私の両肩に手を置いて、気まずそうに目を伏せた。

sho「...俺の部下やったのに、気付けへんかった」

...あぁ、なるほど。
自分の部下にスパイがいたことを気にしてるのか。
普段の彼からは想像できない程しおらしい表情に少し驚いたが、その理由は理解できた。

『何事も無かったですし、気になさる必要はございません。...貴方は、笑っている方がお似合いです』

ふふっ、と冗談交じりにそう言えば、彼の顔には徐々に安堵の表情が広がっていく。

sho「ありがとな、A。...よし、一発シッマどついてくるわ！！」

コネシマさんの方に駆けていく彼を目で追いながら、私はそっと胸を撫で下ろす。
彼は普段ヘラヘラしているけれど、実はとても仲間思いな人だと私は知っている。
...だからこそ、人一倍傷つきやすいことも。

いつもの調子に戻った彼を見て、私は静かに微笑んだ。